2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560014
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
熊谷 晃一 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (00205163)
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Keywords | 液晶 / LB膜 / ポリスチレン / 分子配向 / 配向膜 / 光第2次高調波発生 / 赤外吸収 / 吸着 |
Research Abstract |
本研究の目的は、2次の非線形電気感受率χ^<(2)>テンソル成分における微視的な局所場効果を考慮して配向膜の表面状態とその上に吸着した液晶分子ラングミュア・ブロージェット(LB)膜の表面密度と液晶分子の配向分布との関連を明らかにすることである。 本研究で申請した、表面庄計を組み入れてLB膜作製装置を改良した。改良したLB膜作製装置を使用して表面密度を精密に規定した液晶分子LB膜の作製方法を確立した。液晶分子として分子構造が既知であるシアノビフェニル系液晶(5CB)分子を申請した分析天秤で精密に秤量して一定量のn-ヘキサンに溶かして、LB膜試料溶媒とした、基板として、紫外から赤外にかけて透明であるCaF_2平行平面基板と、良好な面精度・平行度及び紫外光領域での高い透過率が保証される合成石英平行平面基板を使用した。本年度は配向膜高分子材料として、ポリスチレンを準備して基板に塗布し、表面をラビングした。ラビングした配向膜表面とラビングしていない配向膜表面に5CB分子LB膜を作製して実験試料とした。配向膜の偏光赤外吸収スペクトルを予め測定して面内の異方性の尺度となる赤外2色比を評価した。5CB分子LB膜を表面密度と堆積方向を制御して配向膜上に吸着させた後、5CB分子LB膜の光第2次高調波の試料回転角依存性を測定して、χ^<(2)>テンソル成分における微視的な局所場効果を考慮して面内の異方性を評価した。表面密度3×10^<14>,3×10^<12>molecule/cm^2では明らかに試料回転角依存性のパターンが異なっており、表面密度により面内の配向分布が変化していることが分かった。最終的に液晶セルを作製し、偏光赤外吸収スペクトルを測定して液晶セルの赤外2色比を決定した。得られた赤外2色比から面内の配向分布を評価したところ、表面密度3×10^<14>,3×10^<12>molecule/cm^2の試料両方で液晶セルとしての配向は、ほぼ同等であると結論した。
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