2003 Fiscal Year Annual Research Report
長時間安定な負性電子親和力表面の実現と高輝度エミッターの作成
Project/Area Number |
15560019
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本郷 昭三 神戸大学, 工学部, 助教授 (00029232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 俊夫 神戸大学, 工学部, 助教授 (40107983)
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Keywords | ダイヤモンド / バリウム / セシウム / 電子エミッション / 負性電子親和力 / NEA / MDS / TDS |
Research Abstract |
シリコン上に作成したCVDダイヤモンドとセシウム、バリウムあるいはその酸化物、水素化物の基礎物性を調べ、電子エミッターへの応用を研究している。本年度の成果は 1)ダイヤモンド上のバリウム水素化物は約350℃まで熱的に安定で低仕事関数材料の電子エミッターとして有望である。その温度以上では水素が脱離するので、バリウム水素よりは少し仕事関数は増加ずるが約800℃までは使用に耐える。 2)ダイヤモンド上のセシウム酸化物は約500℃まで熱的に安定である。500℃以下ではバリウム水素化物よりセシウム酸化物の方が仕事関数が小さいのでエミッターとしてはセシウム酸化物の方がよい。しかし500℃を越えると急激に仕事関数が増加するので、高温領域ではバリウム水素化物の方が良い。 3)セシウムを吸着しその後大気に曝したダイヤモンド表面の電子エミッションを測定した。エミッションのスレシュホールドは0.16V/・m、エミッション電流は2.8V/・mで142・A/mm^2が得られた。この試料のスレシュホールドは今までの報告の中で最も低いものである。もう一つの試料ではスレシュホールドこそ0.4V/・mと少し大きいが、エミッション電流は5V/・mで490・A/mm^2となりカーボンナノチューブと遜色がないものが得られた。これらの試料のエミッション電流の時間的安定性を6時間にわたり調べて問題ないことを確認した。今後更に長時間について研究を進める。
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