2003 Fiscal Year Annual Research Report
2次元型検出器系低速イオンビーム散乱分光装置による表面ナノ構造評価と応用
Project/Area Number |
15560022
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
梅澤 憲司 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (80213487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 一之 豊田工業大学, 工業研究科, 教授 (60029212)
中西 繁光 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (70079052)
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Keywords | イオンビーム / 低速 / 飛行時間 / イオン散乱 / 表面 |
Research Abstract |
低速イオンビーム散乱分光法を発展させた装置の開発を行っている。イオンビームなどの荷電粒子線に替えて原子ビーム散乱法を試みている。測定法は飛行時間分解型である。今回の装置は、表面科学において盲点であった絶縁体の表面構造を解析できるところに新しさがある。荷電粒子線を入射させた場合、電荷をもつために絶縁体表面において電荷がたまるチャージアップ現象が生じる。たまった電荷を打ち消すように電子線を照射するのも1つの方法であるが実際にそれを行うのは極めて困難である。従って、最初から電荷をもたない原子ビームを入射プローブとして用いることを計画した。 現在までに超高真空チェンバーの設計、真空排気系装置の準備、検出器系の主だった電子回路は出来上がった。今後は、これを実際に組み上げてスペクトルを取ることに主眼を置いている。そのために計測用のソフトを完成させなければならない。Visual Basic, C++の2つでプログラムを作っている最中である。実際にこの装置が完成すると得られる実験データのほとんどが過去に得られなかったものであることが期待できる。今回の研究成果は平成15年12月に材料科学国際会議(MRS)で発表した。飛行時間をデジタル信号に変換する電子回路、50Vのパルス信号を発信させる電子回路等について話をした。装置完成後には装置の作り方を広く公開する予定である。絶縁体系の表面構造、ナノ構造の計測に役立てばと願っている。
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[Publications] K.Ueda, M.Yoshimura: "Formation of Micro Fablication of nanofigures by focused electron beam-induced deposition"Thin Solid Films. (印刷中).
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[Publications] K.Ueda: "New Method of soft x-ray microscopy by slow-electron excitation"J.Japanese Applied Physics. 43-2B. L274-L276 (2004)
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[Publications] 監修:水野寛之, 分担:梅澤憲司: "イオン工学ハンドブック"株式会社 イオン工学研究所. 1126(603-606) (2003)