2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560046
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
熊谷 正純 仙台電波工業高等専門学校, 教授 (10044653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹島 久志 仙台電波工業高等専門学校, 助教授 (80216887)
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Keywords | 耳栓 / 音声明瞭度 / 騒音 / 遮音量 / 最小可聴値 |
Research Abstract |
本研究は,「耳栓装着により騒音下での音声聴取状況が改善されるか」,改善されるのであればそれは「どのような環境状況の場合か」について,音声明瞭度試験を利用して,実験的に明らかにすることを目的とする.昨年度までに,音声明瞭度試験実施の準備が完了したため,本年度は,以下について研究を実施した. 1.耳栓の遮音量測定 音声明瞭度試験に使用する耳栓2種の遮音量を測定した.平均的にはカタログデータに近い遮音量であったが,個人差が大きいことが分かった. 2.音声明瞭度試験 主に以下の騒音および耳栓の条件における音声明瞭度試験を実施した. 条件1:騒音=高周波数域優勢音,耳栓=高周波数域の遮音特性に優れたJIS第2種準拠のもの 条件2:騒音=高音圧レベルのホワイトノイズ,耳栓=遮音量の大きなJIS第1種準拠のもの これらの実験の結果,条件1では耳栓装着の有無による音声明瞭度に差は生じなかったが,条件2では耳栓を装着することにより音声明瞭度が有意に向上した. 3.音声明瞭度改善効果の検討 前項の実験の結果を以下のように考察した. ・高周波数域が優勢な騒音は,音声の周波数領域へのマスキングが少ないため,高周波数域を遮音する耳栓を装着しても,音声明瞭度に変化はない. ・高音圧レベル騒音を暴露した場合,耳小骨筋反射,および,聴覚疲労等が生じていることが予想される.そのため,耳栓を装着しそれらの発生を抑えることにより,音声明瞭度が改善される.
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