2003 Fiscal Year Annual Research Report
電気インピーダンス変化を用いた複合材料の履歴記憶型モニタリングシステム
Project/Area Number |
15560062
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
轟 章 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50211397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 佳伸 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80272673)
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Keywords | 複合材料 / 電気インピーダンス / 硬化 / 炭素繊維 / CFRP / 電気抵抗変化 |
Research Abstract |
炭素繊維やスチールワイヤーなどの導電性繊維で強化された複合材料(CFRP,タイヤなど)において,成形時の硬化度や成形不良,使用時のひずみや負荷履歴,点検時の破壊・損傷などのモニタリングは,成形コスト削減,使用時の健全性保証,点検コスト・時間の削減に直結するため重要な技術である.これらの複合構造に対して同一センサーで成形時から使用時のひずみ,損傷などのすべてをモニタリング可能であり,この履歴を構造の履歴書として統一的に管理可能とするシステムが望まれている.本研究では導電性複合材料の成形から,使用時のひずみ,破損時の損傷までを同一の仕組みで統合されたシステムによってモニタリングする統合モニタリングシステムを新規に開発し,その履歴をオブジェクト化して統一管理することでモニタリングを高度化することを提案する.ハードとソフト面の統合化で,成形時からの情報をそのまま製品に保有した新しい製品履歴をソフトウエア的に作成可能となり,画期的な高度モニタリングシステムとなる.平成15年度では,成形モニタリング,ひずみモニタリング,損傷モニタリングの技術を洗練させることが主目的になる.成形モニタリングでは,CFRPプリプレグを用いた実際の積層板の成形モニタリングを実施する.電気容量の周波数依存性を測定する.ひずみモニタリング負荷に伴う電気インピーダンス変化の基礎特性として,0°単層板,90°単層板の引張,繊維直角方位,せん断負荷時の繊維方位,繊維直角方位の電気インピーダンス変化をLCRメータを用いて測定する.これらの結果,硬化時の周波数特性変化を用いることによってエポキシ樹脂の硬化モニタリングが可能であることが実証された.また,引張負荷時の電気抵抗変化測定実験から,繊維方向負荷時には電気抵抗は増加するが,電極の接触が不十分であると4端子法を用いても正しい電気抵抗変化が得られないことが明らかになった.
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Research Products
(1 results)