2003 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶合金を利用した耐キャビテーション材料の開発指針
Project/Area Number |
15560067
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
服部 修次 福井大学, 工学部, 教授 (00143933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 紀英 福井大学, 助手 (20262610)
伊藤 隆基 福井大学, 助教授 (40242581)
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Keywords | キャビテーション / 壊食 / 形状記憶合金 |
Research Abstract |
キャビテーション壊食は、キャビテーションによって発生した気泡の崩壊時の衝撃力により材料が脱落する現象であり,騒音,振動,部材の破断を導く。これまでの報告の中で耐壊食性に優れた材料としてTi-Ni形状記憶合金が挙げられる。Ti-Ni形状記憶合金に第三元素を添加すると機械的性質や変態温度を変化させることができるので,本研究では、Ti-Ni形状記憶合金に第三元素としてCo、Fe、V、Cuを添加したTi-Ni系形状記憶合金を用いてキャビテーション壊食試験を行い、耐壊食性、壊食機構について検討した。試験結果からTi-Ni系形状形状億合金はSUS304と比較して約5〜9倍の壊食抵抗をもつことを明らかにした。一般に壊食抵抗は硬さと良い相関性を示すため、壊食抵抗と硬さの関係について整理したが、Ti-Ni系形状記憶合金の壊食抵抗は硬さとの良い相関性を得ることができなかった。表面の欠陥が壊食速度に大きく影響したので、SEMによる試験片の表面観察を行い、欠陥密度を求めた。欠陥密度と壊食抵抗の関係について欠陥密度の増加とともに壊食抵抗が低下するという傾向が見られたがTi-Ni-Coが他の形状記憶合金と比較して直線関係から大きく外れていた。初期欠陥だけでなく壊食痕の拡大する速度も壊食に影響することを考慮して検討した。キャビテーション壊食試験を5時間行うごとにSEMで同一個所を観察し、壊食痕の面積を測定して壊食痕の面積拡大速度を求めた。硬さと壊食痕の面積拡大速度の関係については,硬さが高くなると壊食痕の面積拡大速度は大きくなるという相関性が得られた。壊食に及ぼす欠陥密度と硬さの影響を同時に考慮するために,両者の積を求め壊食抵抗との関係について整理すると、欠陥密度、硬さが増加するにつれて壊食抵抗が低下するという極めて良い相関関係が得られることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)