Research Abstract |
電気的繰り返し負荷による圧電セラミックスの材料特性変化を実験により測定した.特に,特性変化が顕著な分極方向と逆方向の負の交流電界による電気機械結合係数,誘電率,弾性定数,圧電定数の変化を負荷条件を系統的に変化させながら明らかにした.実験条件として,周波数,振幅,平均交流電界を変化させ,圧電セラミックスの共振・反共振周波数,静電容量をインピーダンスアナライザーで測定することにより上述の材料特性を評価した.電気機械結合係数の変化は負の交流電界の周波数,振幅に大きく依存し,また,その変化より負の交流電界による分域反転が観察され,分域反転が完了する時期は交流電界の周波数に依存することがわかった. また,圧電セラミックスの構成式と損傷発展式の応用として,積層圧電アクチュエーターの応力-電気-損傷場の連成解析を有限差分法で実行する計算機コードを開発した.積層圧電アクチュエーターに対し周期境界条件を適用し,また,平面ひずみを仮定することにより境界値問題を2次元平面問題とする.場の支配方程式を中心差分式で表し,それを緩和法で解くことにより,変位と静電ポテンシャルを求め,それらからひずみと電界を算出する.さらに,構成式から応力,電束密度を求め,また,損傷発展式により,損傷変数の発達を計算する.積層圧電アクチュエーターの電極の長さと損傷駆動力の関係を解析した結果,電極が短いほど,電極の角で損傷駆動力の集中が大きくなり,また,電極を剥離するような形で損傷駆動力が分布することがわかった.
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