2004 Fiscal Year Annual Research Report
AEおよび電磁放射の測定によるき裂の評価に関する研究
Project/Area Number |
15560082
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
森 康彦 日本大学, 生産工学部, 教授 (20059629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小幡 義彦 日本大学, 生産工学部, 助教授 (10139107)
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Keywords | 電磁放射 / アコースティック・エミッション / 岩石 / 変形 / 破壊 / 応力履歴 / カイザー効果 |
Research Abstract |
強誘電体固体材料が破壊する際に電磁波が放射されるという現象は、固体中のき裂生成問題に関する全く新しい計測パラメータとなりうると考えられる。この可能性を追求するために、本研究では、き裂生成に伴う電磁放射の発生モデルを構築し、そのモデルをAE(アコースティック・エミッション)計測と併せた破壊試験を実施することによって実験的に検証・改善し、AEすなわち微視割れの発生と電磁放射の関係を実際の応用のために明らかにする。 前年度では、(1)電化よってき裂面上に分離した電荷による電磁場をローレンツの理論に基づく解析から、電磁放射発生モデルを導出し、モデルを検証するために、(2)花崗岩についてAE計測を併せた破壊試験において電磁信号とAE信号との相関を試験し、(3)AEすなわち微視割れの発生と電磁放射に明らかな相関が認められた。さらに、(4)岩石の応力履歴の定量的な推定に、電磁信号の計測が極めて有効であろうとの知見を得た。 本年度は、前年度の実績の(4)に特に主眼をおいて、実際への応用として、岩石の応力履歴推定手法を検討した。稲田花崗岩と庵治花崗岩の繰返し荷重負荷試験における電磁放射とAE計測を行い、電磁放射は新たな微視き裂が生成される時だけに放射されることを確認し、これに基づく履歴最大応力の推定は、岩石試料に主き裂が形成される応力にほぼ等しい、破壊応力の60%までを正確に推定できることを明らかにした。これに対してAEのカイザー効果による履歴の推定は破壊応力の僅か15%程度までであって、応力履歴の推定に電磁放射計測がいかに有効であるかの知見を得るとともに、AEと併せた計測が、試料中に生じる微視割れの位置とモードの推定に極めて重要であることも示した。 また、計画していた電磁放射とAEの負荷速度依存性については、試験した負荷速度0.02〜0.5mm/min.の範囲では、特筆すべき依存性は見られていない。
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Research Products
(2 results)