2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560091
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Research Institution | National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
夏 恒 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (40345335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国枝 正典 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (90178012)
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Keywords | 放電加工 / マイクロ放電加工 / 放電回路 / サーボ制御 / 微細化限界 / 静電誘導 / 加工速度 / 表面粗さ |
Research Abstract |
本研究は、ますます増加するマイクロ・ナノ製品のニーズに対応するため、微細加工に得意とされる放電加工技術を複雑な微細部品の加工に応用し、高速加工できるマイクロ放電加工技術を確立することを目的とする。具体的には、超高速半導体素子を使用し、従来のRC放電回路の代わりに新たにトランジスタ放電回路とそれに適したサーボ制御回路を開発し、放電加工の弱点である加工速度を従来と比べて約20倍向上した。一方、現状では得られる最小軸径が5μm程度で、マイクロ放電加工技術が微細化の要求に充分に応えているとは言い難い。そこで、本研究では、まず現状で得られる最小軸径を求め、その値以下の軸径が得られない因子として、加工変質層、陽極と陰極に配分されるエネルギーの違い、素材軸自体の製作過程に起因する残留応力、素材軸の材料組織(結晶粒径の大きさ、多結晶体と単結晶体など)について考察した。その結果、超硬合金、超微粒子超硬合金の方がタングステンより微細化に適していることや、タングステン軸を焼鈍することで軸内部の残留応力を除去し、微細軸加工時に現れる軸の屈曲を超硬合金と同程度に抑えられること、工作物を放電エネルギーがより少ない配分される陰極にしたほうが微細化に有利であることが分かった。特に、従来の放電電源を用いて得られる最小の放電痕の径は、本研究で用いた材料に限り、素材によらず一定で約2μmである。従ってサブミクロン加工を目指すにはサブミクロン径の放電痕が得られる放電電源の開発が必要であることが分かった。そこで、回路に生じる浮遊容量により最小限界放電エネルギーが決定される従来型の放電加工機に比べ、微細な加工が可能であり、かつ非接触で給電が可能な静電誘導給電法を開発した。実験の結果、従来型の放電加工機に加工装置を取り付けて加工を行い表面粗さRz0.272μmを達成できることが分かった。
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Research Products
(4 results)