Research Abstract |
まず、当研究グループの既存設備である、縦型ジャーナル軸受試験機を用いて、液晶を潤滑油としたジャーナル軸受の基本特性を調べた。ジャーナルと軸受全体を電極として電圧を印加し,潤滑油の粘度を周方向に連続的に変化させ,軸受の軸心,摩擦力,圧力分布を計測した.その結果,潤滑油膜圧力に負圧が発生しない条件では,通常の軸受よりも偏心角が小さい傾向になることがわかった.また,負圧が発生する条件では,通常の軸受同様,偏心角が大きくなる傾向が認められた.圧力分布については,通常の軸受と比較して,顕著な差は見られなかったが,摩擦力については,偏心率が同じ条件下で,通常の軸受より小さい値を得られた. これらの結果を,高速高荷重条件で実験するため,横型軸受試験機を設計製作した.これを用いた実験は,平成16年度に実施する予定である. また,現在は軸受全体を電極にしているため,偏心率と偏心角によって,軸受各部の電界強さが規定され,寸法形状に基づいた粘度分布になっている.しかし,軸受の特性を効率的に制御するためには,粘度分布と軸受特性の関係を明らかにする必要があり,その結果によって例えば電極の配置を適正化するなどの設計指針が生ずる.このための理論解析も並行して行ない,最適パラメータを幾つか候補として求めた.これを実証するための実験準備をすすめている. 永久磁石式磁気軸受については,所謂アンショウの定理があるため,永久磁石だけで磁気軸受を構成することは不可能とされている.しかし,磁石の組合せおよび寸法等を適切に配置すると,浮上させることができることを,当グループで確認している.これをもとに,磁気軸受の設計を行っている.
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