2004 Fiscal Year Annual Research Report
複屈折の微視的分布測定による界面活性剤水溶液の流動誘起構造変化と不安定発生の解明
Project/Area Number |
15560133
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 勉 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20216732)
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Keywords | 界面活性剤水溶液 / 流動有機構造変化 / 流動複屈折 / ミセル構造 / 不安定流動 / ひも状ミセル |
Research Abstract |
本研究は界面活性剤水溶液を作動流体として利用する際の流動特性の研究に対してミセル構造の変化を考慮するというミクロ的視点を導入したものである。大阪大学大学院・四方教授らによると界面活性剤のひも状ミセルは高分子鎖とは異なり絡み合うだけではなくすり抜けが生じる。本研究ではこの説に注目し、ミセルのすり抜けにより高分子溶液よりも流動による配向が強く生じると考え、その結果として生じるテクスチャ内の配向状態を複屈折により測定した。また、流動複屈折の分布を数μmから数十μm間隔で測定することが可能な複屈折分布微視的測定法を開発し、バンディングなどのテクスチャ構造を形成するミセルの変化から不安定流動の発生に至る過程を光学顕微鏡オーダーの分解能で測定することを目的とした。 すき間を0.5mm〜2.0mmとした平行平板流路内の界面活性剤水溶液(CTAB・NaSal水溶液)の流動をマイクロスコープにより可視化した.流れはシリンジポンプを用いてステップ的に一定流量となるようにした.所定の流量以上では流動開始直後に流路全体にわたって白濁することが明らかとなった.これは流路内の流体が一様にせん断ひずみを受けることにより発生した構造変化の結果であると考えられる.さらに一定時間後に流路流入近傍で流れと直交方向のバンド状の白濁領域が発生することが明らかとなった.この領域は流入部の伸張の効果により生じた構造変化であり,このバンド領域の非一様性が流れ場の不安定性に大きく影響することも明らかとなった.また,流動複屈折の16チャンネル同時測定装置はほぼ完成し,流路内の複屈折分布を実時間で測定することが可能となった.流動誘起構造変化発生過程における複屈折の微視的な分布の時間的変化が測定できた.
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