2003 Fiscal Year Annual Research Report
変動圧力測定に基づく圧力勾配および流体粒子加速度の評価と微細渦構造の統計性の解明
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15560137
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
辻 義之 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00252255)
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Keywords | 乱流 / 変動圧力 / 微細渦構造 / 普遍法則 |
Research Abstract |
従来のコンデンサマイクロフォンを用いた静圧測定法を改良し、半導体型圧力センサとマイクロフォンを併用した測定法及びデータ処理法を開発した。マイクロフォンは非常に微小な変動を捉えるが、その構造上の制約から低周波成分が20[Hz]程度までしか周波数応答が保てない。これに対して半導体型圧力センサは、最小分解能が10[Pa]程度とおおきいが、直流成分まで計測できる周波数応答性を有する。両者の特性をいかすことにより、流れ場の特性に合わせて広範のRe数での計測を可能とした。また、測定精度を向上させるために、静圧プローブ形状(静圧管長さ、静圧孔の大きさ及び数、配置)、角度特性について測定精度への影響を明らかにした。 変動圧力の計測で最も懸念された点は、測定圧力に含まれる動圧の影響である。この点を定量的に明らかにするために、直接数値計算(DNS)との比較をおこなった.変動圧力の標準偏差P'は流れ場の動圧(pu'^2)とP'/(pu'^2)【similar or equal】0.8の関係を満たし、Reとともに若干増加する。この傾向はDNSの結果と極めて良い一致をしている。また、P'の確率密度関数型の比較もおこない、両者の良好な一致を確認した。以上のことから、本圧力プローブでの測定値に含まれる動圧の影響は極めて少ないとの結論を得た。 乱流中の静圧変動の重要な普遍法則の1つとして、慣性小領域内でスペクトルが-7/3乗に比例することが揚げられる.これは、Kolmogorovの局所当方性仮説から導かれる結果である。申請者は広範のレイノルズ数領域(300【less than or equal】R_λ【less than or equal】1200、R_λはテイラーマイクロスケールに基づくレイノルズ数)の測定により、-7/3乗則は600【less than or equal】R_λで初めて出現することを報告し、Kolmogorov仮説の妥当性と圧力場の普遍性を検証した。
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[Publications] Y.Tsuji, T.Ishihara: "Similarity scaling of pressure fluctuation in turbulence"Physical Review E. 63. 026309-1 (2003)
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[Publications] Y.Tsuji: "Large-scale anisotropy effect on small-scale statistics over rough wall turbulent boundary layers"Physics of Fluids. 15. 3816-3828 (2003)
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[Publications] Y.Tsuji: "Intermittency effect on energy spectrum in high-Reynolds number turbulence"Physics of Fluids. 16. L43-L46 (2004)