2004 Fiscal Year Annual Research Report
せん断流により誘起されたマクロ凝集構造体を利用した固液混相流の流動抵抗低減
Project/Area Number |
15560146
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
後藤 邦彰 岡山大学, 工学部, 教授 (20215487)
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Keywords | 混相流 / 粒子 / 凝集粒子 / 流動抵抗 / 圧力損失 / 抵抗低減 |
Research Abstract |
固液混相流では、一般に、媒体である液体だけを流動させたときに比べ固体粒子を分散させたときの方が流動抵抗は大きくなる。しかし、ある種の固液混相流では、液体だけのときよりも粒子を添加したときの方が、流動抵抗が低減するという現象が知られている。本研究では、この流動抵抗低減現象を固液混相流体の輸送動力削減に対して、積極的に利用する手法として確立することを目的として実験的検討を行った。 昨年度、高分子凝集剤を用いて粒子凝集体を形成し、種々の流量で円管内流れの圧力損失測定を行った結果、高流量域で水だけの圧力損失よりも固液混相流の圧力損失が低くなる凝集剤濃度が存在することが明らかとなった。本年度は、抵抗低減効果の経時変化、および、高分子凝集剤とは異なる凝集機構を利用した凝集体形成での流動抵抗変化を検討した。 球状シリカ粒子(中位径10μm)を試料粒子とし、高分子凝集剤(ポリアクリルアミド)による凝集体形成時の管路内圧力損失の経時変化を測定した結果、凝集剤投入直後が最も抵抗減少が大きく、時間経過とともにシリカ懸濁液(=凝集剤なし)の圧力損失に漸近した。この原因としては、一般に言われているように、管路中または循環用ポンプ中のせん断流れにより高分子鎖が切断され、凝集効果が低下したことが挙げられる。一方、シリカ懸濁液に凝集剤を投入した場合と、凝集剤水溶液にシリカ粒子を投入した場合でみかけ粘度を測定した結果、シリカ懸濁液に凝集剤を投入した時には不均一な凝集体が形成され、みかけ粘度が減少することが確認された。このことから、時間経過とともに抵抗減少効果が消失する原因として、不均質な凝集体構造から均質な凝集体構造へ変化したことも考えられる。 また、粒子周りの電気二重層厚さを変化させ、シリカ粒子の凝集体を形成させることを目的として、電解質溶液(=CaCl_2水溶液)を用いて管路内圧力損失を測定した。その結果、電解質溶液では明確な抵抗減少効果は確認できなかった。この電解質で形成される凝集体は均質なことから、不均質な凝集体、すなわち、大規模な構造体形成が抵抗減少効果を起こすものと考えられる。
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Research Products
(1 results)