2003 Fiscal Year Annual Research Report
過膨張燃料インジェクタによる圧縮天然ガスの超低NOx成層燃焼
Project/Area Number |
15560168
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
志賀 聖一 群馬大学, 工学部, 助教授 (00154188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 幹也 群馬大学, 工学部, 助手 (70344926)
小保方 富夫 群馬大学, 工学部, 教授 (10107477)
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Keywords | 過膨張流れ / 空気導入 / 圧縮天然ガス / 筒内直接噴射機関 / NOx |
Research Abstract |
自動車用機関の燃料として圧縮天然ガス(CNG)が注目されている.CNGには、単位CO_2排出量当たりの発熱最が大きい,硫黄などの不純物を含まないといった利点がある.しかしながら,CNGを筒内直接噴射火花点火機関に適用する場合,NOxの排出の問題が残る.成層化によって燃料濃度の高い領域が形成され,温度が上昇するためである.本研究では,気体燃料の特徴である圧縮性に着目する.燃料全圧と雰囲気圧力の圧力比が臨界値以上であることを利用する.すなわち,過膨張流れにおける超音速流に伴う圧力低下によって雰囲気空気を燃料噴流に強制的に導入・混合させ,混合比分布の平坦化をねらう. 一次元圧縮性流体力学解析による見横りを行い,圧力比・マッハ数平面上にて,過膨張によって形成される衝撃波の形態を検討した.これより,過膨張ノズルの直径、急速圧縮機(RCM)の圧縮比を決定した.RCMの圧縮比をε=10とした条件においては,過膨張燃料インジェクタを用いることにより、燃焼による圧力上昇の低下、燃焼効率の低下、CO, HC排出の増大が見られた.これは、過膨張流れが形成されなかったことによる.一方,RCMの圧縮比をε=5.8とした条件においては,燃焼による圧力上昇の最大値にノズル直径,燃料噴射時期の影響は現れず,過膨張流れの形成が示唆された.過膨張燃料インジェクタの顕著な効果はCO濃度,燃焼効率に現れた.直径2.5mmの過膨張ノズルを用いた場合,CO濃度は大きく低下し,燃焼効率が上昇した.これは,過膨張による負圧によって導入された空気と燃料が混合し,混合比分布が平坦化したためと考えられる.しかしながら,過膨張ノズルの効果は比較的小さく,また,圧縮比を低下することによってしかこの効果が得られないことなどの問題点も示された.
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