2003 Fiscal Year Annual Research Report
パラレルワイヤ機構を用いた人間・機械協調型リフティングシステムの開発
Project/Area Number |
15560196
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田川 泰敬 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (20216807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早津 昌樹 日立プラント建設(株), 生産技術開発センタ開発部, 部長(研究職)
鎌田 崇義 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60262119)
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Keywords | パラレルワイヤ機構 / 人間・機械協調型リフティングシステム / パワーアシスト / ヤコビ行列逐次同定 / 準静的 / 速度制御 |
Research Abstract |
建設作業現場における装置・機材等の搬送作業の多くは複数の作業員の人手と高度な技能によるところが大きい.しかし近年では熟練作業員は減少及び高齢化の傾向にあり,搬送作業の簡素化を図るシステムの開発が課題となっている.このような背景から,本研究では重量物の搬送作業を一人または少数の人員で効率よく行うことが可能なシステムとして「パラレルワイヤ機構を用いた人間・機械協調型リフティングシステム」を提案し,その開発を主な目的とする. 本システムは複数のワイヤの巻取り速度を同時に制御することで制御対象に目的の動作を与える「パラレルワイヤ機構」と,操作者が物を運搬する際に対象物に加えた力の推定量を基に最適なアクチュエータの出力を決定して人間の動作をアシストする「人間・機械協調型リフティングシステム」を組み合わせたもので,操作者は人間のもつ優れた感覚を生かしながら機械と協調して重量物を搬送することができる. 平成15年度は現有装置に即した水平・鉛直・回転の3自由度を有する2次元平面モデルを対象に研究を遂行し,下記の知見を得た. 1.システムの対象物移動制御手法として,対象物移動速度ベクトルとワイヤ巻取り速度ベクトルの関係を定義するヤコビ行列の逐次更新を利用した手法を提案した.本手法は従来の制御では必要である制御対象及びアクチュエータの位置情報が不要なことから,建設作業現場をはじめこれらの情報が取得困難な環境では有効な制御手法である. 2.上記1の手法を用いた対象物移動シミュレーションを行ったところ,操作者の意図する方向(目標移動方向)へ対象物を移動可能な結果が得られ,本手法の実現可能性を確認した. 3.現有装置においてワイヤ3本で対象物モデルを吊った場合に本手法を適用し,対象物移動実験を行った.本実験から操作者が意図する方向へ対象物を移動可能な結果が得られ,本手法の有効性を確認した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山口 大助: "懸垂機構を用いた多自由度型パワーアシスト吊搬装置の開発(第2報,速度変換行列逐次同定手法の検討)"日本機械学会論文集C編. (掲載予定). (2004)
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[Publications] Daisuke Yamaguchi: "Sequential Identification Technique of Jacobian Matrix for a Power-Assist Lifting Device Using Wire-Driven Parallel Mechanism"Journal of Robotics and Mechatronics. (掲載予定). (2004)
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[Publications] 山田 学: "マンマシンインターフェイスを用いたパワーアシスト型吊搬装置"日本機械学会関東支部10期総会講演会論文集. 215-216 (2004)
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[Publications] 青木 俊道: "パラレルワイヤマニピュレータを用いた吊搬装置の開発"日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会'04論文集. (発表予定). (2004)