Research Abstract |
本研究の有限要素生成法では,磁束密度の強度,各要素の電磁材料の角点や界面からの距離,誘電率や透磁率,ソース電荷・電流からの距離,有限要素の大きさ等の規格化された要素属性に重みwを付けて加えた値Pを求め,これにより要素における有限要素法誤差を推定し,有限要素をどのように分割するかを決定する. これまでは最大の要素を分割する方法として,従来は最長辺に節点を作り2分割し,その際,整合を持たせるために隣接する要素も2分割するという手法を採用していた.しかし扁平な要素が生成されることがあった.そこで,本年度では要素形状に応じて異なる分割数が選択される分割法を提案した.提案手法では,まず三角形要素を仮想的に2,3,4分割し,分割されたそれぞれの要素について「最小角÷最大角」を算出し,この値が最も大きい分割数による要素分割を行う.この値は,形状が良いほど1へ近づき,逆に扁平なほど0へと近づくので,この値が最大の分割数を選択することで形状の悪い要素の生成を防ぐことができる.また,隣接要素については逐次分割せず,すべての分割処理が終了した後に,最後にまとめて分割することとした.このようにすることで,不要な分割処理を行わないことになり,要素形状を良好に保つことができる.したがって,その結果として扁平な要素が減少すると考えられる. またさらに高品位の有限要素生成を目指して,扁平な要素が生成される原因であった,初期メッシュからの細分化を止め,Pにより節点密度を制御する方法を提案した.この方法ではPを「要素節点の密度分布」と捉える.そして,バブルシステムを利用して,Pの値が大きい部分ほど節点分布が密になるように節点を配置する.その後、ドロネー分割を用いて、それらの節点を扁平な要素が生成されないように繋げることで、最終的なメッシュを生成する.この結果,従来よりも扁平な要素が少ない高品位な生成結果が得られた.
|