2003 Fiscal Year Annual Research Report
新たな永久磁石配置による空心リニア同期モータ・磁気浮上鉛直輸送システムの研究
Project/Area Number |
15560237
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古関 隆章 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (20211899)
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Keywords | 永久磁石 / リニア同期モータ / リニアドライブ / 吸引制御式 / 磁気浮上 / ハルバッハ配列 / 鉛直輸送 / 駆動制御 |
Research Abstract |
平成15年度は、本研究に先行する研究で整備した磁界解析ソウトウェアを用いて、提案のハルバッハ形永久磁石可動子を持つ鉛直形リニア同期モータの複数の設計案を計算し、その基本特性を具体的に把握した。複数案を設計してその推力特性や磁束分布を計算して、比較検討することで、望ましい特性を持ちながら製作も容易な磁石配置の方法や、具体的な磁石形状、永久磁石使用量を検討した。その結果を利用して、実験のための試験機の設計を行った。さらに、試験機の製作作業と、必要な部分の製作委託を外部に行って、支持機構としての、磁気浮上制御システムの設計と予備的な実験を行った。対抗する永久磁石ハイブリッド型の制御電磁石とその制御部を実装することで、磁気浮上システムの制御がうまくいくところまでを試験で実証できた。また磁気浮上制御におけるオブザーバの効果も確認できた。 一方で、今回提案したリニアモータが、可動子の内部応力が予想以上に大きく強度を十分持ちながらも軽い構成部材の選択に慎重な考察を要すること、さらに、電機子が本質的に電磁ノイズを多く出すという問題点がわかり、リニアモータ駆動用のインバータから発するコモンモードの電磁妨害を防止する基本的対策を施したものの、センサ系への電磁妨害の影響を完全に抑圧するにはいたらず、そのためリニアモータの駆動実験と、前述の磁気浮上制御による姿勢保持を同時に成功させることは現時点でできていない。後半の研究期間においては、回路実装技術を含む電磁妨害対策を見直し、鉛直駆動実験を当初計画のとおりに成功させるとともに、さらに駆動制御における可動子位置検出の方法を工夫し、二次元駆動実験への発展の基礎を整える方針である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 立石大輔, 中井敏幸, 古関隆章: "Halbach形可動子による空心リニア同期駆動と磁気浮上支持による鉛直輸送"電気学会 システム・制御研究会資料. SC-04-13. 37-42 (2004)
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[Publications] 立石大輔, 古関隆章: "水平移動も可能な非接触駆動鉛直輸送システムの提秦"電気学会 交通・電気鉄道/リニアドライブ合同委研究会資料. TER-03-36/LD-03-61. 49-54 (2003)
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[Publications] T.Koseki, Y.Makino, J.Liu, S.Inui, Y.Ohira: "Two-Dimensional Linear Drive Combined with Electromagnetic Levitation for a Flexible Transportation Line"Proceedings of the 4^<th> International Symposium LDIA 2003. PL-04. 97-100 (2003)
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[Publications] L.Kovudhikulrungsri, T.Koseki: "Performance Improvement of a Linear Encoder by Multirate Sampling Observer"Proceedings of the 4^<th> International Symposium LDIA 2003. MI-07. 509-513 (2003)