2004 Fiscal Year Annual Research Report
新たな永久磁石配置による空心リニア同期モータ・磁気浮上鉛直輸送システムの研究
| Project/Area Number |
15560237
|
|---|
| Research Institution | The University of Tokyo |
|---|
Principal Investigator |
古関 隆章 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (20211899)
|
|---|
| Keywords | リニア同期モータ / 鉛直輸送 / 永久磁石 / ハルバッハ配列 / 空心リニアモータ / 駆動制御 / オブザーバ / フィードバック制御 |
|---|
| Research Abstract |
昨年度までに試験機の設計を行い、試験機の製作と、必要な部分の製作委託を行って、支持機構としての、磁気浮上制御システムの設計を行った。対向する永久磁石ハイブリッド型の制御電磁石とその制御部を実装し、これまでに、磁気支持システムの制御に成功している。一方、今回提案したリニアモータが、可動子の内部応力が予想以上に大きいので、強度を十分持つ軽い構成部材の選択に慎重な考察を要する。さらに、電機子が本質的に電磁ノイズを多く出すという問題点もある。これに対してコモンモード電磁妨害を防止する基本的対策を施したが、センサ系への電磁妨害の影響を完全には抑圧できず、リニアモータ駆動実験と、磁気浮上制御による姿勢保持を同時に成功させることは困難だった。そこで、電磁妨害対策を見直し、駆動制御における可動子位置検出の方法を工夫し、二次元駆動実験への展開を目指す検討を行った。具体的には
(1)鉛直輸送用リニア同期モータの制御電源の実装および配線方法の見直し
(2)鉛直輸送用リニア同期モータの可動子位置検知方法と位置制御方式の検討
(3)オブザーバを用いた簡略なセンシングに基づく制御方法の考案、動的シミューレーションによる動作検証を行った。デュアルサンプルレート・オブザーバに基づく駆動制御の有効性が確認された。
一方、時間的制約から、本年度内の作業として水平移動用リニアモータ電機子の製作を見送らざるを得なかったため
(1)水平移動用リニア同期モータの可動子位置検知方法と位置制御の方式の検討
(2)これらの検討を統合した分岐実験と性能の評価と実験
については、今後の課題となった。しかし、二次元駆動における水平方向の駆動は、基本的に鉛直方向への一次元駆動原理の応用として実現が見込まれるので、当初目標に完全には到達できなかったが、基本目標を達成できたと考えている。
|
