2004 Fiscal Year Annual Research Report
出力電圧飽和時における低容量UPFCの電力潮流制御
Project/Area Number |
15560239
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹下 隆晴 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70171634)
|
Keywords | UPFC (Unified Power Flow Controller) / 送電電力制御 / 電圧飽和 / 電力潮流制御 / 低容量変換器 / 送電線事故 / 安定化 / 電力自由化 |
Research Abstract |
電力の規制緩和によるIPP (Independent Power Producer)の参入や,自然エネルギー等を用いた小規模分散電源の導入に伴って,従来の発電所から負荷側への電力潮流だけではなく,負荷側から上位系統への電力潮流が発生し,潮流の複雑化や送電システムの局所的な過負荷が生じる。このように過負荷になっても新たに送電線の建設をすることなく,既存の送電システムの潮流を制御して,安定・高信頼の電力供給システムを維持する方法が必要とされ,送電系統制御システムの一つであるUPFC (Unified Power Flow Controller)の研究が行われている。本研究では,小容量UPFCの実用化に向けての基礎研究として,定常および過渡状態においも電圧飽和をするような大胆に変換器の低容量化をした場合を前提に,今年度は以下の4項目を明らかにした。 (1)小容量UPFCの出力電圧飽和時における高速潮流制御法の開発。 受電端側に基づいた電力潮流制御法を開発し、その有効性を試作システムにより実験で確認した。 (2)送電線事故時における電力潮流安定化のためのUPFC制御法の開発。 安定化制御法を提案し、シミュレーションでその安定性を確認した。 (3)ループ系統におけるUPFCの最適設置点および必要変換器容量の設計。 UPFCの最適設置点としては、電流容量の最も低い場所が有効であり、そのときの、変換器容量は補償電圧容量と電流容量の積で求められることを明らかにした。 (4)試作システムによる実験で提案制御法の性能を評価。 200V,6kVAの試作システムによる実験で、過渡特性を含む提案制御法の有効性を確認した。
|