2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロSMESの分散配置による電力系統の統合的制御方策に関する研究
Project/Area Number |
15560241
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大澤 靖治 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026294)
|
Keywords | マイクロSMES / 系統安定化 / 過渡安定度 / 動揺抑制 / 最適制御 / タブーサーチ / 評価指標 / 制御入力信号 |
Research Abstract |
電力への依存度の増大に伴って電力の安定供給の維持が不可欠となっており、系統安定化の重要性が増している。超電導エネルギー貯蔵装置(SMES)は有効電力、無効電力の両者を高速かつ独立に制御することが可能で、高頻度の充放電に耐えられるため、電力系統の安定化や電力品質の改善が有望な用途として実用化が期待されている。本研究は、同一のマイクロSMESを複数台設置し、それらを情報通信網を介して有機的に結合して電力動揺の抑制に利用しようとするものである。昨年度は、比較的小規模な例題系統を対象とし、系統故障に対する過渡安定度の向上を目的としてSMESを導入する場合において、最適なSMESの配置、ゲインをタブーサーチにより求める手法の検討を行った。今年度は、比較的大規模な風力発電が導入された電力系統を対象とし、風速の変化による風力発電の出力変動に起因する同期発電機の動揺を抑制することを目的としたマイクロSMESの制御方策ならびに最適な設置個所の決定法について検討を行った。設置個所の決定法としては、メタヒューリスティックス手法の一つであるタブーサーチを用いた。その結果、 1.SMESの総数が少ない場合は、動揺の大きい同期発電機端や風力発電機端などに分散して配置するのが適当であるが、総数が多くなりSMESの総容量がある程度大きくなると、風力発電機端に集中配置して動揺の原因を抑え込むのが有効であることが明らかになった。 2.連系される風力発電が1ヶ所の場合と2ヶ所に2ケースについて検討を行ったが、SMESの総数と最適な配置との関係は両者で同様の傾向(上記1.)となった。 3.タブーサーチを用いた解法は、今回行ったシミュレーションの範囲ではつねに最適な解を与えることがわかった。 2年間にわたる検討の結果から、分散配置される系統安定化用SMESの制御方式と最適な配置決定手法について、多くの知見が得られたと考えている。
|