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2004 Fiscal Year Annual Research Report

ウェーブレット解析を用いた圧力波検出法による電力ケーブルの劣化診断に関する研究

Research Project

Project/Area Number 15560246
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

木谷 勇  愛媛大学, 工学部, 教授 (20036396)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 門脇 一則  愛媛大学, 工学部, 助教授 (60291506)
Keywords電気トリー / 部分放電 / 電力用ケーブル / 圧力波 / ウェーブレット変換 / 時間周波数解析 / 低密度ポリエチレン / 炭化
Research Abstract

部分放電劣化部から伝搬する圧力波に対してウェーブレット解析を行い,圧力波の時間周波数特性から劣化位置と劣化度合いの推定を試みた。得られた成果を要約すると以下のようになる。
ポリエチレン試料を用いた実験において,成長初期段階のトリーからの圧力波と大きく成長したトリーからの圧力波に対する時間周波数解析を行った。初期トリーからの圧力波の周波数特性は,8MHzの帯域に強い強度を有するのみであった。これに対して大きく成長したトリーからの圧力波の場合,トリー先端部から周波数の高い圧力波が伝搬した後,それに続いて周波数の低い圧力波が伝搬するという時間周波数特性を示した。またこの低周波の圧力波の伝搬が異常に遅れるという傾向が認められた。この周波数の低下と伝搬遅れの増大は,トリーの形状と密接に関連していることを,トリー状トリーとブッシュ状トリーとの比較実験により証明した。
ポリエチレン試料に一定電圧を印加し続けた場合,最初のうちは低周波成分の圧力波が時間の経過と共に大きくなった。ところがある時間を境に検出される信号はトリー先端からの高周波成分のみとなった。低周波成分の消滅は,トリー管の炭化により強い放電が起きなくなったためと推定された。さらにポリエチレンに若干のエチレン-エチルアクリレート共重合樹脂を混合することにより,トリー管の炭化劣化が抑制される事実を,ウェーブレット解析の結果から突き止めた。
模擬ボイドのあるポリエチレン試料にパルス電圧を印加した場合の圧力波の時間周波数特性とセンサ位置との関係について調べた。センサが劣化部の真下にあるときは平板電極からの圧力波と部分放電による圧力波が交互に検出された。これに対してセンサが横方向へずれている場合,部分放電劣化部からの圧力波がセンサに直接入射しないため,時間周波数平面上の強度分布が大きく変化することを明らかにした。

  • Research Products

    (3 results)

All 2004

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] Measurement of Pressure Wave from AC Tree in Polymeric Insulators and Time-Frequency Analysis Using Wavelet Transform2004

    • Author(s)
      K.Kadowaki, S.Nishimoto, I.Kitani
    • Journal Title

      Proc.of the 2004 IEEE International Conference on Solid Dielectrics Vol.1

      Pages: 723-726

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 圧力波のウェーブレット解析によるポリオレフィン系絶縁材料内部の部分放電劣化診断2004

    • Author(s)
      内村和裕, 門脇一則, 西本栄, 木谷 勇
    • Journal Title

      平成16年電気関係学会四国支部連合大会講演予稿集 1

      Pages: 164

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [Journal Article] 部分放電劣化した固体材料内部から発せられる圧力波の時間周波数特性2004

    • Author(s)
      内村和裕, 門脇一則, 西本栄, 木谷 勇
    • Journal Title

      電気学会放電研究会資料 ED-04-167

      Pages: 11-14

    • Description
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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