2003 Fiscal Year Annual Research Report
電源に含まれる高調波ノイズの低減と保安用統合接地の役割との相関関係に関する研究
Project/Area Number |
15560255
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
蒔田 鐵夫 日本大学, 生産工学部, 助教授 (70060225)
|
Keywords | 保安用接地 / 構造体接地 / 統合接地 / 等電位ボンディング / 電磁環境 / 電磁誘導干渉 / 内部雷保護 / 電位分布 |
Research Abstract |
「課題1 人体及び機器間の電位差を検討するため、接地電極周囲の電位とその分布、および電位傾度を縮尺模型電極と数値計算によって検討するに関する研究」に関しては、研究者は従前より、接地電極が埋設される大地が水平多層構成であると仮定して解析を行ってきた。しかし、接地極は崖や河岸の近傍に敷設される事もある。 この様な観点より、本年度は垂直断層を有する2層構成大地に棒状接地電極が複数本敷設された場合を例に取り、この接地抵抗並びに接地極周囲の電位分布を、研究者が得た従来の結果の詳細を吟味し、新たに電位計算式を開発した。本式を水槽模型実験により検証した結果、実験値と計算値が良好に一致した。本計算式を基に、標準接地棒を例とした、地表面電位分布、接地抵抗並びに集合効果を、縦断層からの距離並びに電極中心間距離について評価した。結果の一部は平成15年度電気設備学会全国大会で発表した。 「課題2 中性点接地方式における接地抵抗と接地インピーダンスに関する研究」に関しては、内外の趨勢を調査し、国内の接地設計手法と国内法規との関連性についてその概要を整理した。その結果、各種規格の国際整合性が進められ、屋内配電系統もIEC規格に準拠したIT、TT及びTN方式に大別されることになった。接地方式では、TT方式が個別接地に、TN方式が統合接地に対応する。TT方式は機器接地が系統接地と電気的に分離出来る場合の接地システムであるが、他接地系統との相互関係と電気的な安定性の確保の観点から接地を独立して設ける事が困難となりつつある。一方、TN方式では機器接地が保護導体に取られ一点接地となるので等電位化されるが、保護導体は中性線と同一点に接続される為、地絡故障電流が短絡電流になり、しかも不要な電流が中性線を介して環流する可能性があることが危倶される。結果の一部は平成15年度電気設備学会全国大会で発表した。'
|