2003 Fiscal Year Annual Research Report
有機超薄膜のナノ界面構造制御と多重表面プラズモン励起を利用した高効率光電変換素子
Project/Area Number |
15560272
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
加藤 景三 新潟大学, 工学部, 教授 (00194811)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 孝 茨城工業高等専門学校, 助教授 (80220838)
新保 一成 新潟大学, 工学部, 助教授 (80272855)
金子 双男 新潟大学, 工学部, 教授 (20016695)
|
Keywords | 表面プラズモン / 全反射減衰法 / クレッチマン配置 / 光電変換素子 / 有機色素薄膜 / 短絡光電流 / 光吸収 / 構造制御 |
Research Abstract |
本研究では,ナノ界面構造制御した有機超薄膜を用いて,金属表面における多重表面プラズモン(SP)励起を利用して,有機層への光吸収を増大させることにより,従来の十倍程度の効率を有する光電変換素子の開発を目的に,その基礎的研究を行った。本研究で作製した光電変換素子は,プリズム/Al薄膜/有機色素薄膜/Ag薄膜の構造で,SP励起が可能な全反射減衰(ATR)法のクレッチマン配置構造となっている。有機色素薄膜としてp形半導体の性質を示す銅フタロシアニン(CuPc)分子の蒸着膜を使用した。すなわち,この素子構造はショットキーダイオードの構造である。なお,Al,CuPc,Ag薄膜の厚さをそれぞれ30nm,35nm,45nm程度とした。そして,ATR測定により,各層の複素誘電率と膜厚の評価を行った。また,ATR測定と同時に短絡光電流I_<SC>測定も行った。その結果,Ag薄膜/空気界面でSPが共鳴励起されたATR特性が観測され,このATR特性の共鳴角度に対応して,I_<SC>も増大していることがわかった。また,ATR測定から得られた各層の複素誘電率や膜厚を用いて,素子内部の電界分布や光吸収の計算を行った。その結果,SP励起により有機色素層内の光吸収が増大し,I_<SC>も増大することがわかった。次に,プリズム/Al(15nm)/有機色素薄膜(20nm)/有機薄膜(200nm)/Ag(50nm)構造の素子についてATR特性および光吸収特性の理論計算を行った。その結果,ATR特性において,低角度にAg/空気界画でのSP励起に伴う共鳴吸収と高角度に導波モードによる大きなディップが観測され,光吸収も増大していることが明らかとなった。今後,このような種々の構造制御した素子の作製を試み,短絡光電流などの測定を行い,多重SP励起や光電変換機能との関連を詳しく調べ,高効率光電変換素子の開発を行いたいと考えている。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Keizo Kato: "Photoelectric Cells of Copper Phtalocyanine Thin Films Utilizing Surface Plasmon Excitation"Proceedings of 7th International Conference on Properties and Applications of Dielectric Materials. 3, S18-3. 1092-1095 (2003)
-
[Publications] Keizo Kato: "Photoelectric Cells of Organic Dye Thin Firms Utilizing Surface Plasmon Excitations"8th IUMRS International Conference on Advanced Materials. B2-11-015. 124-124 (2003)
-
[Publications] Keizo Kato: "Enhancement of Photoelectric Effect in Organic Dye Thin Film Cells by Surface Plasmon Excitation"2003 Materials Research Society Fall Meeting. K5.8. 248-248 (2003)
-
[Publications] 平野 優: "全反射減衰配置を利用した有機光電変換素子の構造制御"第13回電気学会東京支部新潟支所研究発表会予稿集. I-10. 14-14 (2003)