2003 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導混合状態における臨界電流密度の温度・磁界スケーリングに関する研究
Project/Area Number |
15560279
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
藤吉 孝則 熊本大学, 工学部, 助教授 (80212190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末吉 哲郎 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (20315287)
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Keywords | 高温超伝導体 / 臨界電流密度 / スケーリング則 / 電圧-電流特性 |
Research Abstract |
本研究では,高温超伝導体の混合状態における臨界電流密度(J_<cE>)のピンニング・スケーリング則を明らかにする目的で,以下のような研究を行った.これらの解析では,ピンニングの強度分布が,量子化磁束の運動の決定に重要な働きをすると考えている.実験的解析では,このピンニングの強度分布を重イオン照射によって制御し,電界(E)-電流密度(J)特性の測定を行い,J_<cE>やn値の変化を調べた.理論解析および計算機によるシミュレーションでは,ピンニングの強度が分布した場におけるピンニングから外れた量子化磁束のクラスタの浸透過程について調べた. [実験的解析] レーザアブレーション法により作製したYBCO超伝導薄膜に柱状欠陥を導入してE-J特性の測定を行い,n値の温度・磁界依存性および臨界電流密度J_<cE>のピンニング・スケーリング則の測定を行った.また,E-J特性から,超伝導体中のピンニングの強度分布を見積もり,それらの温度・磁界依存性について調べる.特に低温領域と高温領域における磁界依存性から,熱遥動の効果について考察した.その結果,柱状欠陥によるピンニングの強度分布とバックグランドによるピンニングの強度分布を分離することができた. [理論解析および計算機シミュレーション] 量子化磁束がピンニングから外れそのクラスタが浸透する過程をモデル化し,計算機シミュレーションを行った.量子化磁束を格子状に配置し,さらにピンニング力の強度が異なるものを空間的にランダムに分布させる.各量子化磁束をピン止め力強度に対応した確率でディピンニングさせ,この量子化磁束の移動による電界を見積もった.この際これからピン止め力の強度分布および空間分布に対するE-J特性の依存性を調べた.これらの結果は,実験とよい一致を示した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tetsuro Sueyoshi et al.: "Influence of the columnar defect densities on the current-voltage Characteristics in high-T_c superconductors"Physica C. 388-389. 739-740 (2003)
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[Publications] Kaoru Yamafuji et al.: "A theory of the thermal depinning transition in type-2 superconductors"Physica C. 397. 132-150 (2003)
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[Publications] Masakazu Haruta et al.: "Influence of columnar defects on the pinning parameters in high-T_c superconductors"Physica C. in press.
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[Publications] Tetsuro Sueyoshi et al.: "Doses effect of heavy-ion on the critical exponents in YBa_2Cu_3O_<7-x> thin films"Physica C. in press.