2004 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン・イオン注入した酸化膜を持つMOS構造による可視発光素子の研究
Project/Area Number |
15560280
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
松田 敏弘 富山県立大学, 工学部, 助教授 (70326073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 栄之 富山県立大学, 工学部, 助手 (80223402)
大曽根 隆志 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (60223822)
岩坪 聡 富山県工業技術センター, 主任研究員
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Keywords | イオン注入 / MOS容量 / 発光 / エレクトロルミネッセンス / イオン・ビーム・スパッタ / 透明電極 |
Research Abstract |
大規模集積回路(VLSI)の基本材料であるシリコンは、間接遷移形半導体でバンドギャップも小さく発光素子には適さないとされてきた。しかし、シリコン系材料で発光素子が可能になればVLSIと共存可能な表示素子や光デバイスへの幅広い応用が期待できる。本研究では、シリコン・イオン注入したゲート酸化膜を持つMOS構造による可視発光素子(以下、シリコン・イオン注入型MOS発光素子)に関するものである。 シリコンウエハ上に厚さ50nmの酸化膜を作製し、シリコン・イオン注入によって過剰なシリコンを酸化膜中に導入する。従来の研究成果を基に、3、5、10-10^<16>cm^<-2>とドーズ量を変化させた試料とシリコン・イオン注入していない試料とを作製した。さらに上部電極を形成しMOS構造とする。上部電極には、短波長領域(波長300〜500nm)解析のためにAu透明電極をイオン・ビーム・スパッタリングによって作製した。シリコン基板の導電形をn形およびp形に変化させた結果、いずれも、しきい値電圧のヒステリシス現象を示す電流-電圧特性となり、透明電極側から電子を注入する方向の電圧印加が発光現象に効果的であることを明らかにした。発光特性解析システムを構築し、EL分光特性を測定した結果、シリコン・イオンのドーズ量が、3×10^<16>cm^<-2>の試料で450nmの波長成分が最も大きくなることが分かった。いずれの条件でも、発光スペクトルは、ガウス分布を仮定して5種類の中心波長に分離することができ、酸化膜中の発光中心と相関があると考えられる。Au以外の透明電極材料に関しては、短波長領域の透過率と導電率を両立させるため、ITOを中心に検討した。
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Research Products
(2 results)