2004 Fiscal Year Annual Research Report
窒化アルミインジウムガリウム砒素の五元混晶成長と光電子集積回路実現への基礎的検討
Project/Area Number |
15560284
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
淀 徳男 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70288752)
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Keywords | 窒化物混晶 / 光電子集積回路 / バンドギャップ / 立方晶InN / 低温成長 / 残留酸素濃度 |
Research Abstract |
前年度から良質なAlGaInAsN/Siの窒化物五元混晶を作製する為の準備段階として、InN/Si、InNAs/Si、InGaNAs/Si等のSi基板上にInを含有した二元、三元、四元系の窒化物混晶成長において薄膜の結晶性向上のための基礎的検討を開始し、その問題点を洗い出した。研究の結果、Inを含む窒化物系半導体の結晶成長では基本的に高温成長できない為に、Inの含有量を増加するにつれ結晶性が大幅に悪化してしまうという問題点が明らかとなった。またInNは従来まで考えられていたバンドギャップ値(1.9eV)よりも低い値(0.7eV)を持つことも判明した。即ち、窒化物五元混晶系の探索研究にこれらのバンドギャップの変化を考慮することが必要である。本年度はInを含む窒化物系半導体のバンドギャップの低エネルギーへの変化の原因を探ることを主眼とした研究を進め、光電子集積回路実現への新たな可能性を開く新材料となるかどうか検討を行った。また、光電子集積回路用基板として立方晶Si基板だけではなく、GaAs基板上にInN、GaNの結晶成長条件の最適化を検討した。通常、晶系の異なる六方晶が得られていたが、500℃〜600℃の低温ダイレクト成長を行うことにより、六方晶の混在率の非常に少ない良好な立方晶InN、GaNが成長することがわかった。これにより、光電子集積回路の実現性が高まった。また、InNのアニールの実験を通して、成長中にバイアス電圧を印加することによってInN膜中への残留酸素原子の取り込み効率が大幅に抑制できることがわかり、逆にInN膜中の酸素不純物濃度をコントロールすることにも成功し、バンドギャップ値が高エネルギー側にシフトすることも明らかとなった。しかしながら、この原因はワイドバンドギャップ材料である酸化インジウムが膜中に形成されているためではないこともわかった。さらに、三元、四元、五元系の窒化物混晶半導体の結晶成長に及ぼす酸素の影響について詳細な検討を行う必要が示めされた。
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Research Products
(8 results)