2003 Fiscal Year Annual Research Report
高調波処理型超高効率増幅回路の3次相互変調歪発生のメカニズムの理論的・実験的解明
Project/Area Number |
15560292
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
本城 和彦 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90334573)
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Keywords | マイクロ波 / 増幅器 / 3次相互変調歪み / F級増幅器 / HBT / W-CDMA / 隣接チャネル漏洩電力 |
Research Abstract |
マイクロ波無線通信機器における高出力増幅回路の低消費電力化には、付加電力効率を増加させることが重要である。高調波処理型高効率増幅回路であるF級増幅回路では、最終的には90%を超える電力効率が実現されることが期待されている。しかしながら、ひずみ特性は、バイアス条件がB級バイアスに設定されているため、A級増幅回路より劣ると考えられていたが詳細な報告はなされていなかった。 今年度はまず理論的にこの課題に取り組み、F級増幅器においてはトランジスタ出力端子において偶数次高調波で短絡となっていることに着目し、ボルテラ級数展開法により、3次非線形伝達特性を導出したところ、偶数次高調波で短絡となっていない従来型増幅器に比べて3次相互変調歪み特性が優れていることが判明した。この結果を受けハーモニックバランスシミュレーションにより、ヘテロ接合FETに当研究グループで提案しているリアクタンス補償型F級増幅を適用した場合の3次相互変調歪み特性を解析した。この結果、飽和出力からのバックオフ20dBにわたって、F級増幅器の3次相互変調歪みは、A級増幅器の3次相互変調歪みに比べて優れていることを確認した。この理論を拡張し、従来型増幅器においても、2波入力信号の差周波数の整数倍の周波数を短絡することにより3次相互変調歪み(IMD)の改善ならびに、高周波側IMDと低周波側IMDのレベルのアンバランスを改善できることも明らかにした。 実験的にこれらのことを確認するため、今年度はInGaP/GaAsHBTならびに低損失樹脂基板を用いた1.9GHz帯W-CDMA用増幅器(従来型回路1W級)ならびに1.9GHz帯F級増幅器(30mW級)を試作し、それぞれコレクタ効率65%ならびに75%の特性を実現した。まず従来型W-CDMA用増幅器の入出力端子を差周波数の整数倍の周波数を短絡することにより3次相互変調歪み(IMD)の改善ならびに、高周波側IMDと低周波側IMDのレベルのアンバランスを改善できることを実験的にも明らかにした。また隣接チャネル漏洩電力に関しても同様の結果を得た。来年度はF級増幅器歪み特性を実験的に検証する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 関正人, 河合秋絵, 本城和彦: "F級増幅回路の3次相互変調ひずみの解析"電子情報通信学会 技術研究報告. MW2003-137. 83-90 (2003)
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[Publications] 関正人, 小林由紀子, 石井寛子, 本城和彦: "1.9GHz帯F級HBT増幅回路の実験的検討"電子情報通信学会2004年総合全国大会. (発表予定). (2004)
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[Publications] 木村功一, 松村暢久, 本城和彦: "W-CDMA用InGaP/GaAs HBT電力増幅器のACLR非対称性の改善"電子情報通信学会2004年総合全国大会. (発表予定). (2004)
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[Publications] 相川清志, 本城和彦: "完全集中定数化F級増幅回路の提案"電子情報通信学会2004年総合全国大会. (発表予定). (2004)
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[Publications] 相川清志, 本城和彦: "完全集中定数化F級増幅回路の提案"電子情報通信学会 技術研究報告. MW2003-245. 7-14 (2004)