2003 Fiscal Year Annual Research Report
ファイバーグレーティングの加熱経時変化実験とアレニウス解析理論モデル構築
Project/Area Number |
15560298
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
江島 正毅 香川大学, 工学部, 教授 (90325316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須崎 嘉文 香川大学, 工学部, 助教授 (60206456)
中川 清 香川大学, 工学部, 助教授 (50198032)
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Keywords | ファイバーグレーティング / 光ファイバー / ファイバーブラックグレーティング / 熱処理 / 水素ローディング / 紫外線レーザー / 屈折率誘起 |
Research Abstract |
ファイバーグレーティングの作製に先立って、光ファイバーに紫外線レーザー光に対する屈折率変化の感度を向上させるため水素ガスを高圧下でローディングする手法が通常取られており、我々も100気圧で10日間保持する水素ローディングを施した。作製するファイバーグレーティングの中心波長と反射強度を安定化させるため、100〜180℃の高温に保持する加熱エージングがなされる。我々はこの熱処理過程での中心波長を厳密に60、100、140、200℃と温度を変えて約100時間追跡し、熱処理による中心波長の変動は事前に施しておいた水素ローディングの水素ガスが熱拡散で光ファイバーから追い出されるためであることを短周期および長周期のファイバーグレーティングで押さえることができた。さらに、水素ガスのローディング圧力を変える実験と、一旦熱処理を終えたファイバーグレーティングに再度水素ローディングを施してその後の中心波長の変化を追跡する実験を行い、中心波長の熱処理による挙動は熱拡散によることを確認した。水素ガスの熱拡散方程式を解いた結果と良好な一致を見ることができ、米国のJournal of Lightwave Technologyに投稿し、本年3月号に掲載されることになった。 さらに理論的考察を進めたところ、「光ファイバーにローディングされた水素ガス分子は、紫外線レーザー照射によって容易に解離され原子状に変わり、これがドープGeと反応して屈折率が上昇する。この反応に寄与しない水素原子は再結合で分子に戻り、その後の熱処理による熱拡散につながる」と考えられる。水素ガスが原子状に変化するクエンチングによって、中心波長が変化する過程がきわめて重要であることが分かった。現在、この短い時間の過渡現象を研究中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Nakamura, et al.: "Evolution of Optical Fiber Temperature during Fiber Bragg Grating Fabrication using KrF Excimer Laser"Japanese Journal of Applied Physics. 47・1. 147-151 (2004)
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[Publications] Y.Masuda, et al.: "Wavelength evolution of fiber Bragg gratings fabricated from hydrogen loaded optical fiber during annealing"Journal of Lightwave Technology. 22・3(in printing). (2004)