Research Abstract |
1.いろいろな垂直磁気記録単磁極(SPT)ヘッドの構造に対し有限要素法(FEM)により記録磁界分布を求め,記録媒体のLandau-Lifshitz-Gilbert(LLG)マイクロマグネティクス計算により記録トラック幅,イレースバンド幅,信号対雑音比を求めた.さらには,トラックエッジから発生する雑音を低減するための方法を提案した.また,垂直磁気記録において媒体残留磁化パターンは媒体進行方向に対して直角な遷移とならず,三日月状となり,ノイズの原因となる.ここでは,SPTヘッドの形状を反三日月状とすることにより直角な遷移とすることを試みた.いろいろな反三日月状ヘッドと一般的なSPTヘッドで媒体に書き込まれたSNRをLLG計算により求め,比較した.その結果,公開された特許とは異なり,大きな利点は見られないことを明らかにし,今後の方向性を見出した. 2.ディスクリートトラック媒体(DTM)は垂直磁気記録において主要なエッジノイズを低減する上で効果があると思われる.ここでは,SPTヘッドとDTMを仮定して,高密度記録の可能性を検討した.すなわち,FEM計算によりいろいろな構造の単磁極ヘッドの書き込み磁界を求め,LLG計算によりいろいろな寸法,材料特性の2層記録媒体への磁化パターンを求め,エッジノイズ,SNRなどを導出した,さらに,スキューがある場合の検討を行った.これらから,高密度化に関し,連続媒体に対するDTMの優位性を見出した. 3.垂直磁気記録単磁極ヘッドおよび2層記録媒体を含む空間全体のLLG計算を行い,サイドシールド,トレーリングシールド,ポール長などの効果に関しLLG計算との比較を行った.これらのLLG計算は大規模となり一般的な32ビットマシンでは計算が不可能であったため,一部に自作の64ビット計算機を用いた.
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