2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560318
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
府川 和彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00323775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 博 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00282864)
須山 聡 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70334505)
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Keywords | OFDM / MIMO-OFDM / MAP受信 / プリコーディング / EMアルゴリズム / 移動通信 |
Research Abstract |
本年度は,(1)干渉条件におけるMIMO-OFDMのプリコーディング技術と,(2)OFDM通信用MAP受信へのEMアルゴリズムの適用に焦点を絞り,研究を行なった.具体的内容は以下の通りである. (1)MIMO-OFDMを用いるTDD無線伝送システムでは,マルチセル干渉が存在する環境において送受信機ごとに干渉信号が異なり干渉に関しては相反性が成立しない.そこで,基地局において推定した希望信号のチャネル情報と移動局からフィードバックされた干渉と雑音の相関行列を用いる基地局制御プリコーディングによる最適伝送方式を提案し,そのアルゴリズムを導出した,さらに,計算機シミュレーションにより,相反性から求められるチャネル情報のみを用いた最適伝送方式のBER特性に対して,提案方式ではBER特性を大幅に改善できることを明らかにした. (2)MAP検出の演算量を実現可能なレベルに低減できるアルゴリズムとして,EMアルゴリズムが検討されている.このEMアルゴリズムの適用法として,送信信号を隠れ変数とし,伝送路のMAP規範チャネル推定を逐次的に行う方注があり,この方法に基づくOFDM移動通信用MAP受信について検討を行なった.EMアルゴリズムを用いたMAP受信の従来のチャネル推定法は,インパルス応答の生成過程にランダムウォークモデルを仮定していたが,高速フェージング環境において伝送路の時間変動に対する追従特性が十分ではなかった.そこで本研究では,追従特性を改善するため,インパルス応答の時間微分を含むモデルを導入することにより,EMアルゴリズムの新しいチャネル推定法を提案した.計算機シミュレーションにより,ランダムウォークモデルを用いたEMアルゴリズムと比べ,提案方法は高速フェージング環境での平均パケット誤り率特性を大幅に改善できることを明らかにした.
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Research Products
(10 results)