2003 Fiscal Year Annual Research Report
ウェアラブル情報端末の無線アンテナ設計法に関する研究
Project/Area Number |
15560325
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
王 建青 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (70250694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 修 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60135316)
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Keywords | 移動通信 / ウェアラブル情報端末 / アンテナ / SAR / 人体数値モデル / FDTD |
Research Abstract |
コンピュータの小型化と高性能化が急速に進み、携帯電話,携帯端末,ノート型パーソナルコンピュータといった「モバイル」型情報端末の「ウェアラブル」化が急ピッチで進められている.ウェアラブル情報端末は,人体の形状と動作に着目した人体との一体化が大きな課題となる一方,外界とのデータのやり取りには無線技術の採用が不可欠である.このとき,無線部の人体への装着位置は,アンテナ放射特性の面からだけではなく,人体の形状や動きにマッチした箇所の同定及び人体における電磁吸収量,すなわちSAR(Specific Absorption Rate)の低減化も不可欠である.本研究は,ウェアラブル情報端末の無線アンテナ設計法の確立を目指して,まず,人体数値モデリングとその解析技術の開発を行ってきた.市販コンピュータ・マネキン・ソフトウェアQueteに新たなモジュールを追加する形で,日本人の平均的体型データを読み込むことで任意姿勢の人体数値モデルの構成が可能となった.それを用いて,ヒトが携帯電話,ノート型パーソナルコンピュータを使用する姿勢をリアルに模擬することができるようになり,これらのときのアンテナ放射特性及びSAR特性をFDTD(Finite Difference Time Domain)法で数値解析を行った.その成果として,側頭部で使用される無線端末については,人体肩以下の部分のアンテナ及びSAR特性に対する影響を定量的に示すことができた.一方,ノート型パーソナルコンピュータに装着されるアンテナについては,人体の存在により最大20dB程度のアンテナ放射特性の減衰が見られるが,キーボードを叩く両手によるアンテナ放射パターンへの影響は小さく,キーボートに両手をのせない場合に比べてアンテナ入力インピーダンスの変動は2割未満であることが解明できた.さらに,最大SAR値はキーボードを叩く両手に生じ,手の遮蔽効果で逆に胸,頭部でのSARが低減されることがわかった.なお,前者の成果は今年1月に米国電気電子学会(IEEE)論文誌に掲載され,後者の成果は4月の電子情報通信学会研究会で発表する予定である. 来年度は,今年度で確立できた任意姿勢の人体数値モデリングとFDTD解析技術を活用し.ウェアラブル情報端末の無線部アンテナ特性に着目して,(1)人体動作の干渉が受けにくい装着位置の同定,(2)それらの位置におけるアンテナ放射特性及びSAR特性の解明を行い,ウェアラブル情報端末の無線アンテナの設計指針を見出す予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] J.Wang, O.Fujiwara, S.Watanabe, Y.Yamanaka: "Computation with a parallel FDTD system of human-body effect on electromagnetic absorption for portable telephones"IEEE Trans.Microwave Theory and Techniques. vol.52, no.1. 53-58 (2004)
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[Publications] 王 建青, 藤原 修: "アンテナ装着PCの近傍電磁界と人体相互作用"電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ-11. (2004)