2003 Fiscal Year Annual Research Report
Lie代数モデルを用いた3D画像の表現方式と認識・合成方式に関する研究
Project/Area Number |
15560335
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
趙 晋輝 中央大学, 理工学部, 教授 (60227345)
|
Keywords | 3D画像 / 物体モデル / 物体認識 / 形状合成 / オブジェクトベースド符号化 / 不変量 / 領域分割 / Hough変換 |
Research Abstract |
本年度では、今までの検討で,Lie代数の中,取り扱いが簡単であるにも関わらず、十分な表現力を持っていることが確認できた線形lie代数モデルに表される物体の表現方式、認識合成方式について、特に不変量の安定な抽出と領域分割を検討した。 今までユークリッド変換群のLie群としての性質を利用して、ユークリッド変換に対する物体の微分不変量を求める手法が提案されているが、これらの方法では、常に物体自身はすでに何らかの方法で表現されていると仮定している.一般的に、ごく一部の物体を除けば,物体の大域的な表現こそが最も難しく,一般的な物体に対して大域的な微分不変特徴量を求めるには,大変煩雑な非線形偏微分方程式を解かざるを得ない. そこで、本研究では、物体表面の接線或は法線のベクトル場を線形Lie代数を成していると仮定して、物体の大域表現モデルを提案した.具体的に、このような物体のある点における接線或は法線ベクトルは、常にある表現行列と呼ばれる行列と当点の位置ベクトルによって一意に定められる。従って、ベクトル場のLie代数を表現行列のLie代数に置き換えることができる。さらに、この線形リー代数によって定義される物体がユークリッド変換群に作用される時の不変量の完全集合を求めた.この不変量に基づき,2次元および3次元物体のユークリッド変換に対して不変な認識と合成方式を開発した. Lieモデルによる物体の認識アルゴリズムの中では、不変量の抽出は最も重要なステップである。特に雑音が存在する時、物体の接平面若しくは法線ベクトルの推定に誤差が生じると、不変量の推定精度が劣化し、さらに、この推定された不変量によって得られる物体の合成精度にも悪影響を及ぼすことになる。 本年度は、雑音対策として、まず、平面における直線を安定に抽出するHough変換を、3D空間における平面を抽出するために、拡張した。しかし、直接拡張されたHough変換は、4次元のパラメータ空間での投票が必要であるため、計算を高速化するためには、拡張Hough変換をデータ点からガウス球面上の曲線への写像と定義する。従って、投票は、ガウス球面という2Dパラメータ空間の中で行なっている。 不変量のロバストな推定法を用いて、3D物体の領域分解方式を提案して、その有効性を確認できた。 さらに、線形Lie代数の表現行列から不変量或は、法線を求める時には、最小2乗法による当てはめ法を適用して、雑音の影響を極力押えた。具体的に一般化逆行列の適用などが考えられる。同時に、線形Lie代数によって表現される曲面を高精度に合成するために、精度保証自動微分の手法を用いて適応的にメッシュを生成する方法を検討した。
|
-
[Publications] Jinhui Chao, Jongdae Kim: "A new surface model based on a fibre bundle of 1-parameter groups"Proceedings of ICPR 2004. (掲載予定). (2004)
-
[Publications] Jinhui Chao, Jongdae Kim, Atsushi Nakakura: "On surface model based on fibre bundle of 1-parameter groups of Linear Lie algebra"Proceedings of ICME 2004. (掲載予定). (2004)