2003 Fiscal Year Annual Research Report
IP系ネットワークにおける通信サービスの品質とふくそう制御の研究
Project/Area Number |
15560336
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 尚生 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (60350229)
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Keywords | 通信品質 / QoS / VoIP / ルーテイング / 呼受付け制御 / セルラー網 / ハンドオーバー / ユーザ満足度 |
Research Abstract |
次の二つの領域について検討を進めた。 (1)品質満足完了率に基づくふくそう制御手法の検討 迂回ルーテイングと呼の受付制御を導入したVoIP (Voic over IP)ネットワーク制御法の研究を進めた。一般に、迂回経路は本来経路に比べて中継回数が多く伝送距離が長いので、無秩序な迂回拡大はネットワークの性能低下をまねく。また、VoIPサービスを従来の品質保証(QoS)のないIPネットワークで提供すると、通話中の呼も後から接続された呼の影響を受けて共に品質低下をきたす。本研究では、呼の受付け時に、当該経路での品質資源(帯域、遅延余裕時間、パケット損失率)に余裕があるかどうかで受付可否判断を行う制御アルゴリズムを提案し、迂回呼と本来呼の選択的な呼受付け制御法に適用した(品質資源留保方式)。単純なネットワークモデルを用いて、迂回ルーテイングによるスループットと品質満足完了率の向上の図れることを計算機シミュレーションにより示した。 (2)サービス選択行動を意識した通信品質向上に向けた検討 CDMAセルラー網においてはチャネル資源の有効利用の観点からセル半径を小さくするマイクロセル化が進みつつあるが、移動ユーザから観るとハンドオーバー時のチャネル切断(通話断、セッション断)の可能性が増加することになる。本研究では、高品質なモビイテイーを保証するチャネルアサイン制御法を提案し、ユーザがそのサービスを選択・申告する形態のもとで、移動時の安定な通信を強く希望するユーザに対して、ユーザ満足度の的確な向上の図れる方式を提案した。個々の移動ユーザの移動特性を模擬できるマルチエージェント型の計算機シミュレーションにより、選択的に特定ユーザの品質と満足度の向上が可能なことを示した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 田中啓嗣, 白井雄也, 山本尚生: "CDMAセルラ網におけるユーザ満足度を考慮したチャネルアサイン"2003年電子情報通信学会ツウシンソサイエティ大会冊子. CD-ROM. B-5-110 (2003)
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[Publications] 川口直之, 山本裕亮, 山本尚生: "VoIP網における迂回拡大によるスループットの低下現象とその安定化"2003年電子情報通信学会ツウシンソサイエティ大会冊子. CD-ROM. B-11-16 (2003)
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[Publications] 田中啓嗣, 山本尚生: "ハイブリッド型回線留保数制御による申告型チャネルアサイン方式"2004年電子情報通信学会ツウシンソサイエティ大会冊子. CD-ROM. B-5-118 (2004)
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[Publications] 川口直之, 山本裕亮, 山本尚生: "品質資源留保方式を用いたVoIP網の一考察"2004年電子情報通信学会ツウシンソサイエティ大会冊子. CD-ROM. B-11-20 (2004)
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[Publications] 伊藤貴弘, 山本尚生, 徳田正満: "VoIPによる緊急呼の優先制御と一般呼品質の両立についての一考察"2004年電子情報通信学会ツウシンソサイエティ大会冊子. CD-ROM. B-7-9 (2004)