2005 Fiscal Year Annual Research Report
鳥類の体温調節機能発達に及ぼす環境温度効果に関する比較生理学的研究
Project/Area Number |
15560352
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
田澤 皓 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (40002109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 龍一 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (00322876)
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Keywords | 鳥類胚 / 雛 / ニワトリ / アヒル / エミュー / 心拍数 / 体温調節性応答 / 品種 |
Research Abstract |
1.心拍ゆらぎの発達にニワトリの品種による違いがあるか? 胚の心拍ゆらぎの発達がブロイラー種と白色レグホーン種で異なるとの仮説がある。孵卵10日から14日の胚について瞬時心拍数(IHR)を同時に1時間測定、心拍数最頻値を求め、パワースペクトル解析(PSA)を行った。心拍ゆらぎの発達に両種の差はなかったが、心拍数最頻値の発達パターンに差が見られた。孵化時間はブロイラー種で短く、雛の心拍数最頻値にも胚のそれと逆の差が見られた。種による差か、母鳥の影響なのか、今後の研究が必要である。 2.雛の心拍数体温調節性応答は、低温暴露の順序によって相違するか? 雛の体温調節能発達の評価法において、ブロイラー種の雛について環境温度変化(35℃-25℃-35℃)に対する直腸温とIHRの応答を計測し、先に発表した25℃-35℃-25℃暴露実験結果と統計比較した。IHR応答は、0日令前半は温度変化に平行し、0日令後半から1日令前半の雛で環境温度に依存せず、1日令後半では温度変化に逆らう応答を示し、順序を変えた暴露実験と一致した。 3.エミューにおける心拍数体温調節性応答の発達。 胚を内嘴打ち直前(Pre-IP胚)、内嘴打ち中(IP胚)及び外嘴打ち中(EP胚)に分け、環境温度変化(36℃-26℃-36℃)に対する卵温(Te)とIHRの応答を各1.5時間測定した。Pre-IP胚では温度変化に平行する応答であり、IP胚で部分的な体温調節性の応答となり、EP胚は温度変化に逆らう体温調節性の応答を示した。エミューでは、ニワトリ(ブロイラー種)の1日令後半の雛が持つ体温調節性の応答を既にEP胚が持っている。 4.アヒルにおける心拍数体温調節性応答の発達。 卵をPre-IP胚、IP胚及びEP胚、雛を孵化直後の体が濡れた雛(wet雛)、体を乾かした雛(dry雛)に分け、環境温度変化(胚では38℃-28℃-38℃、雛では35℃-25℃-35℃)に対するTeとIHRの応答を計測した。EP胚であっても、体温調節性の応答を示さず、dry雛が環境温度変化に対して心拍数を維持する体温調節性の応答を示した。この能力は体が濡れていると損なわれる。
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Research Products
(6 results)