2003 Fiscal Year Annual Research Report
代数的手法と解析的手法の相互補完に基づく制御理論の展開とその応用
Project/Area Number |
15560375
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 朋道 京都大学, 工学研究科, 教授 (70189463)
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Keywords | サンプル値系 / 周期時変系 / 周波数応答作用素 / スペクトル解析 / 複素解析 / 有限次元化 / ロバスト安定解析 / ロバスト性能解析 |
Research Abstract |
平成15年度は,サンプル値系や周期時変系の安定解析ならびに性能解析に関する研究を進め,基礎的な成果を得た. まず,サンプル値系の安定解析に関しては,周波数領域でみて定義される周波数応答作用素に基づくサンプル値系の正実性について,従来の研究を細部に渡り詰め,完成させた.具体的には,作用素のスペクトル解析に基づき,正実性と固有値条件との対応を明らかにするほか,作用素の固有値に関する慣性に基づく正実性の代数的判定条件を確立し,これに基づく安定解析手法を完成させた.加えて,ナイキスト安定判別法についても,周波数応答作用素に関する2次正則化行列式を用い,偏角の原理と連続性の議論に基づき,制御対象の相対次数によらない新たな結果を導出した.これらの安定解析に関する成果は,サンプル値系の性能解析に対しても応用が可能なものであり,サンプル値系のロバスト安定解析,ロバスト性能解析への道筋をつけたといえる. 周期時変系の解析に関しては,やはり周波数応答作用素に基づくH_2ノルム解析を行った.具体的には,無限次元調和リアプノフ方程式の解を必要とする厳密計算法の難点を回避するために,フーリエ解析に基づく近似システムの遷移行列の計算を介した無限次元方程式の有限次元打ち切りについて考察した.さちに,有限次元化された調和リアプノフ方程式に基づく打ち切り計算結果の誤差解析に基づき,打ち切りパラメータの増大とともに打ち切り計算結果がH_2ノルムの真値に収束することを明らかにした. 一方,連続時間制御装置の離散化と低次元化手法については,理論面での検討と数値例に基づく検証を行い,今後さらに検討を加えるべき点についてその明確化を行った.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] J.Zhou, T.Hagiwara, M.Araki: "Trace Formula of Linear Continuous-Time Periodic Systems via the Harmonic Lyapunov Equation"International Journal of Control. 76-5. 488-500 (2003)
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[Publications] T.Hagiwara, T.Mugiuda: "Positive-Realness Analysis of Sampled-Data Systems and Its Applications"Automatica. (掲載予定). (2004)