2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560380
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 透 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (10200825)
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Keywords | 福祉機器 / 適応学習アルゴリズム / 小脳演算モデル / ALS疾患 / PID制御 / 首サポータ / 空気圧アクチュエータ / オートチューナ |
Research Abstract |
ALS(筋萎縮性側索硬化症)をはじめ,重度の障害により,首の筋力が低下し,首がすわらない状態の人が多く存在している。現状では,それらの障害者は,ベッドに寝たきりの状態であったり,あるいは車椅子の生活において,首の位置を保持具により固定し,位置を変えたい時には介護者の助けを必要とするなど,非常に視界の制限された状態での生活を強いられている。そのため,障害者は,非常に大きなストレスを抱えているのが現状である。本研究では,そのような障害者を対象として,首を保持しながら,使用者の意思に応じて顔の向きを変えることが可能な可動式の首サポータの開発について考察を行った.今年度(平成15年度)は,首サポータを適切に制御するための適応学習機能を有した制御アルゴリズムを開発した。具体的にはPID制御を基本とし,そのPIDゲインの調整を行うPIDチューナーに,学習アルゴリズムのひとつである小脳演算モデル(CMAC)を用いたCMAC-PIDコントローラを提案した。一方,空気圧シリンダを用いた首サポータの試作機も製作し,CMAC-PIDコントローラの有効性について実験を通して検証した。とくに,様々な症状に対して適応学習機能を発揮し,適応学習アルゴリズムの首サポータに対する適応可能性を得ることができた。次年度はこの試作機に基づいた完成品を製作する予定である。また,視線入力部が未完であるため,これについての考察を中心に行う。
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Research Products
(1 results)