2004 Fiscal Year Annual Research Report
社会基盤構造物における合理的な常時モニタリング手法の開発的研究
Project/Area Number |
15560400
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小幡 卓司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20214215)
|
Keywords | 社会基盤構造物 / ヘルスモニタリング / 維持管理 / 非接触変位測定 / 音響モニタリング / AEモニタリング |
Research Abstract |
本研究は、社会基盤構造物における維持管理に伴う健全度診断等のニーズに対応するために、一般民生用技術を応用した合理的な常時モニタリング手法の確立を検討したものである。具体的には、非接触動的変位計測ならびに構造物内を伝播する音響・AE測定方法と、モニタリングデータに基づいた損傷同定手法を開発し、データを常時監視を前提とした、橋梁構造物の維持管理等に用いるための廉価で扱いやすいモニタリングシステムの構築を行うことを目的とする。 まず、非接触動的変位測定に関しては、複数台のカメラを完全同期させて画像の撮影を行い、画像処理技術とステレオマッチング法を用いて構造物の3次元挙動を捉えられるシステムの構築を行った。実験・解析結果から、本システムを用いることにより、特に高速度カメラを用いた場合には、概ね100Hz以上の振動数までの構造物の3次元動的変位挙動を正確に測定出来得るものと考えられる。 音響測定に関しては、Digital Audio Interfaceとダイナミックマイクを用いた、多点音響モニタリングシステムを用いて、健全時・損傷時のデータから損傷の定量的評価を試みた。本研究で提案したフラクタル次元解析を音響データに適用すれば、今後のデータの蓄積により鋼・コンクリート構造物の損傷の定量的評価が行えると推定される結果が得られた。さらに、AEモニタリングからは、コヒーレンスなどの波形解析手法を適切に適用することで、比較的簡易な計測で、損傷による定性的な傾向を捉えることができると考えられる。 以上より、非接触動的変位測定によって構造物のマクロな特性を検討し、音響・AEモニタリングによってミクロな損傷を同定することは、本研究にて開発を行った各システムを適切に用いることによって可能となるものと考えられる。したがって、本研究の手法は、社会基盤構造物のモニタリングにも適用が可能であると判断される。
|
Research Products
(5 results)