2003 Fiscal Year Annual Research Report
連続合成桁の初期ひび割れ状態を考慮した新しいひび割れ制御設計法の開発
Project/Area Number |
15560402
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
長井 正嗣 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20207971)
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Keywords | 連続合成桁 / コンクリート床版 / ひび割れ / ひび割れ幅制御設計 / 初期ひび割れ状態 / 安定ひび割れ状態 |
Research Abstract |
現在、スパン30〜60m領域において、最も経済的な形式として連続鋼・コンクリート合成2主1桁橋の建設が盛んになっている。連続合成桁では、中間支点上で負曲げモーメントが生じ、コンクリートに引張力が導入され、その耐久性低下に大きな影響を及ぼすひび割れ発生の原因となる。したがって、連続合成桁では、コンクリートのひび割れに対する適切な設計が重要となる。対策として、プレストレスを導入しひび割れの発生を防ぐ方法があるが、建設コストアップの要因となる。そこで、防水層の敷設を前提に、ひび割れ幅を許容値まで許す制御設計が主流になりつつあり、既に我が国でも2つの手法が提案されている。しかしながら、これらの方法はひび割れ状態が安定ひび割れ状態(新たなひび割れが発生しない程度に十分にひび割れが生じている状態)にあることが前提となっている。 実際に建設されている上記橋梁を調査すると、スパン60mクラスにおいても、中間支点位置コンクリートのひび割れ状態は、設計最大曲げモーメント下においても、安定ひび割れ状態に移行する領域にあり、ほとんどが初期ひび割れ状態にある。つまり、これまで提案されている制御設計法は実体と異なる状態を対象しているという問題がある。 本研究の目的は、上記の矛盾を解消できる設計法を提案する点にある。本年度は、初期ひび割れ状態を考慮した新しい設計法の基本フレーム作成を行い、土木学会論文集で審査を受け、登載可となっている(2005年4月号に登載決定)。今後は、実験的研究を行い、この手法の妥当性の検証また精度アップを図る。
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[Publications] Q.Z.Kahn, T.Honda, Y.Okui, M.Nagai: "A method for crack width evaluation of continuous composite bridges accounting for shear-lag effect"土木学会論文集. No.738/I-64. 37-47 (2003)
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[Publications] 中本啓介, 長井正嗣, 奥井義昭, 岩崎英治, 細見雅夫: "負曲げを受ける合成桁のひび割れ挙動に関する実験的研究"土木学会構造工学論文集. Vol.49A. 1143-1152 (2003)
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[Publications] 本田卓士, 奥井義昭, 長井正嗣, Q.Z.Kahn: "FEM解析による連続合成2主桁橋におけるひび割れ幅算出時の床版有効幅に関する研究"土木学会第58回年次学術講演会講演集. I-524 (2003)