2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15560412
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小林 紘士 立命館大学, 理工学部, 教授 (90066712)
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Keywords | 角柱 / 過励振 / ローター / 制御 / 風による振動 |
Research Abstract |
長方形角柱の前縁に3枚の羽根により構成されたローターを取り付ける。そのローターは風の力で回転する。その影響で、ばね支持された角柱に見られる渦励振が抑制される。この抑制メカニズムを明らかにするための研究を行った。 まず、ローターの最適取り付け位置について予備的な実験を行い、回転数が最大となる取り付け位置を調査した。最適取り付け位置のほかローターの上流側に気流調整板を取り付けることにより回転数がさらに増加することがわかった。 渦励振の発生風速において、角柱を正弦的に加振し角柱側面の非定常圧力の測定を行った。その結果次のことがわかった。ローターの無い角柱とローターを固定した角柱は、ほぼ同じ渦励振の発生特性を持つ。これらの角柱では角柱側面の圧力の比較的大きな振幅と位相は角柱を励振させる働きをなす。一方、ローターが回転するとき、圧力の振幅はかなり小さいものとなり、十分な励振力を発揮できなくなった。 スモークワイヤー法により、振動中の角柱側面の流脈の観察を行った。その結果、ローターを固定した角柱の側面には角柱の振動に伴い前縁剥離渦の形成が認められた。上述の非定常圧力の変動の原因である。一方、ローターが回転するとき、前縁からの剥離気流は前縁剥離渦を形成せず、剥離流れは側面にほぼ付着したものとなった。このことが非定常圧力の変動をほとんど発生させなくする要因であると考えられた。 以上のことから、ローターは、前縁において流れに運動量を与える働きをなすものと考えられた。渦励振の抑制のメカニズムは次のようなものであると推察された。ローターの回転により、剥離流れに側面の向きの運動量が与えられ、剥離流れの側面への付着が促進され、渦励振の発生要因となる前縁剥離渦の形成を妨げることとなり渦励振の発生が抑制される。
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