2003 Fiscal Year Annual Research Report
高精度擬似乱数を用いたモンテカルロ法の効率化とその信頼性問題への応用に関する検討
Project/Area Number |
15560418
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Research Institution | Anan National College of Technology |
Principal Investigator |
松保 重之 阿南工業高等専門学校, 建設システム工学科, 助教授 (90157347)
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Keywords | モンテカルロ法 / 効率化 / 擬似乱数 / 信頼性問題 / 構造システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、信頼性問題への応用を念頭に、高精度擬似乱数を用いてモンテカルロ(MC)法の効率化を試みるものである。本年度は、当該研究の初年度として以下のような研究を実施した:1、擬似乱数、MC法等に関する最新情報の収集を行い、また、MC法を用いて研究を行っている研究者と情報交換を行った。 2、他の研究者との情報交換(シミュレーション計算の実演、プログラム・文献の交換、他を含む)をも念頭に入れ、当該研究実施のための計算環境の整備を行った。 3、当たり外れのMC法により構造系の静的信頼性評価を行い、過去に開発されている幾つかの擬似乱数を用いた計算結果の比較を行い、考察を加えた。 得られた結果をまとめると、以下のようになる:1、当たり外れのMC法は、領域積分型MC法と事象再現型MC法とに分類することができる。構造系の静的信頼性評価を対象に事象再現型MC法の効率化を行うためには、所要確率分布の裾野領域からの乱数を精度良く生成できることが必要であることを確認した。 2、構造系の静的信頼性評価を対象に、事象再現型MC法の効率化に関する考察を行った。事象再現型MC法に関して、(1)低頻度領域から乱数値を集中的にサンプリングする方法、(2)限界状態に対応して擬似乱数の割り付けをする方法が効率化に有効であることを確認した。 以上は、事象再現型MC法についての結果であるが、今後、これらの結果が領域積分型MC法についても言える事柄であるか否か、多くの効率化手法の適用が可能な領域積分型MC法に事象再現型MC法を変換できないか否か等、種々検討する必要がある。
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