2005 Fiscal Year Annual Research Report
硬質ウレタンを充填した鋼コンクリート合成部材の実構造物への適用性に関する研究
Project/Area Number |
15560419
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Research Institution | Takamatsu National College of Technology |
Principal Investigator |
太田 貞次 高松工業高等専門学校, 建設環境工学科, 教授 (20107212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 美好 山梨大学, 工学部・土木環境工学科, 助手 (50162889)
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Keywords | 硬質ウレタン / 振動実験 / 振動減衰 |
Research Abstract |
硬質ウレタンを鋼板に添加することにより、鋼板の振動減衰を高めることが出来るとともに、硬質ウレタンが音を吸収することから騒音低減効果が見込まれる。そのため、硬質ウレタンは騒音の吸収材として広く使用されている。しかし、硬質ウレタンの添加が振動に及ぼす影響に関するデータはこれまで見受けられなかった。 私たちは、平成15年度硬質ウレタンを充填した合成床版橋と通常の合成床版橋に対して振動実験を行い、合成床版橋の振動に及ぼす硬質ウレタンの影響を調べて、前者の減衰定数が50%以上大きくなることを確認した。 平成16年度は硬質ウレタンを添加した鋼板の振動性状を実験的に調べて、硬質ウレタンの制振作用を検証した。しかし、鋼板の板厚が6mm、4mmと比較的厚い鋼板を使用したため、硬質ウレタンの影響が顕著に現れず、また試験体を固定する治具が充分な剛性を有していなかったため、精度の良い実験とはならなかった。 今年度は、鋼板厚3.2mm、ウレタン厚はゼロから150mmまで50mmピッチで全4種類試験体を使用して、試験体に衝撃力を与えて振動させる衝撃加振実験と、振動加振機上に試験体を設置して試験体の応答を調べる実験の2種類の振動実験により硬質ウレタンの効果を調べた。衝撃加振による振動実験では、ゴルフボール、硬式テニスボール、ソフトボールの3種類を使用して自由落下により衝撃力を与えて加振した。 実験から、硬質ウレタン厚を大きくするほど振動減衰への寄与は大きく、硬質ウレタン厚150mmのケースでは、1次の振動で2倍程度、高次の振動モードが卓越する場合には4倍程度の振動減衰となることが確認された。なお、振動台で加振した実験では、ウレタン厚を大きくするにつれて鋼板の加速度応答値が大きくなることも確認された。
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