2003 Fiscal Year Annual Research Report
液状化後の地盤における土粒子移動量と地盤変形に関する研究
Project/Area Number |
15560426
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐々木 康 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90274109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 誠二 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40280408)
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Keywords | 液状化 / 地盤流動 / 混相体 |
Research Abstract |
液状化時の地盤変形量予測手法の精度向上が求められている。 この研究では、1回の打撃による瞬間液状化、ならびに振動台を用いた繰り返し加振による液状化の二つの液状化再現方法を用いて模型地盤を液状化させ、液状化後の地盤の変形抵抗性を土粒子レベルの観察結果を用いて考察する計画である。 2カ年計画で実施するこの研究の初年度である平成15年度に得られた主な知見を以下に記す。なお、平成15年度の振動台を用いた繰り返し加振は大型振動台を用いることとした。 1 瞬間液状化再現装置から得られた結果 1)外力条件の大きさによる骨格構造破壊度合いの差 模型地盤全層を液状化させた場合でも、加える衝撃力が大きくなるにつれ、土粒子が懸濁状態にある高間隙水圧継続状態は長く続き土粒子移動量も大きく、液状化後の体積ひずみ量が大きくなる。この結果は液状化後の骨格構造の破壊度合いが地盤に作用する擾乱外力の大きさに依存することを示している。 2)地盤の変形に伴なう有効応力の回復 液状化地盤の側方境界が水平方向に移動し、地盤が変形するにつれ地盤内の間隙水圧は低下し有効応力の回復が見られる。有効応力の回復量は地盤に生じるせん断変形の大きさに支配される。 2 振動台を用いた繰り返し加振から得られた結果 1)上載荷重が作用する地盤の間隙水圧上昇量と変形 盛土直下の地盤内間隙水圧は初期上載圧まで上昇しないが、加振周期に連動して変動する間隙水圧が高くなったときに地盤の変形が進む。周期的に進行するこの変形の1回分は、瞬間液状化後の地盤変形に相当するものであるが、その量の定量的解釈についてはさらなる吟味が必要である。 2)上載荷重が作用する地盤の有効応力の回復 地盤の変形により間隙水圧が低下し有効応力が回復する様子は上記1、1)と同様であった。しかし、同程度の有効応力回復をもたらすせん断ひずみの大きさは、小さな模型地盤における場合に比べて小さかった。
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