2004 Fiscal Year Annual Research Report
水質汚染防止を目的とした鋼矢板による廃棄物海面処分場の遮水工に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15560429
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣岡 明彦 九州工業大学, 工学部, 助教授 (70238400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 英生 九州工業大学, 工学部, 教授 (80180488)
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Keywords | 地盤環境 / 汚染物質 / 移流拡散 / 廃棄物処理場 / 遮水鋼矢板 / 遠心模型実験 / 数値解析 |
Research Abstract |
本研究では,遮水鋼矢板の必要根入れ長とその遮水性能に関して,安全な廃棄物埋立護岸の設計に資する知見を得ることを目的としている.具体的には,遠心模型による浸透拡散実験とその解析結果を比較検討することを通して,遮水鋼矢板の遮水性能から必要とされる根入れ長の決定(設計)方法とその際に考慮すべき事柄について提案することが最終目標である.平成16年度は以下の結論を得た。 (1)鋼矢板の遮水性能について ●鋼矢板の貫入量が増加するにつれて、浸透経路が延長されるため矢板内から矢板外への浸透量が抑制された。 ●矢板の貫入量が増加するにつれて、矢板外への浸透時間は長くなることが分かった。しかし、最短経路から推定される時間と浸透量から推定される時間には大きな隔たりがあることが生じる場合があり、浸透時間の判定には注意する必要がある。 (2)鋼矢板の汚染物質拡散抑制性能に関する遠心模型実験について ●今回のNaCl溶液浸透試験では、矢板内に給水されたNaCl溶液が、地盤内を浸透し、拡散現象による濃度分布を再現できた。 ●NaCl溶液の濃度は、上流側から下流側に行くにつれて薄くなる分布を示し、浸透経路が長いほどある濃度に到達する時間が遅くなることが分かり、鋼矢板を設置することで汚染物質の移流拡散現象を抑制することができる。 (3)貫入量違いによる鋼矢板の汚染物質拡散抑制性能について ●矢板外近傍におけるカオリン層では、汚染物質は矢板内から矢板を回りこんで浸透して行くため、浸透距離が大きいほど拡散の速さが抑制される。 ●不透水性地層の下に透水性地層が存在する地盤では、浸透距離を十分確保するために鋼矢板の貫入量を大きく設定したとしても、透水性の高い地層の影響で矢板外への汚染物質拡散を助長する可能性がある。従って、鋼矢板の地盤への貫入量設定に当たっては、対象としている地盤の層構成も考慮して行うことが望ましい。
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Research Products
(2 results)