2003 Fiscal Year Annual Research Report
不連続面と初期応力を考慮に入れた泥岩の斜面崩壊の発生メカニズムに関する実験研究
Project/Area Number |
15560431
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
前川 晴義 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60113031)
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Keywords | 斜面崩壊 / 泥岩 / 不連続面 / 初期応力 / 間隙水圧 / 破壊基準 / ウォターフイルム / K_0状態 |
Research Abstract |
降雨などによる地下水面の上昇や土に自重の増大が斜面崩壊の誘因として注目されているが、素因について議論されることが少ない。ここでは、泥岩地盤の斜面崩壊の素因として、初期応力状態と不連続面の存在に注目した。自然地盤の初期応力状態は、静止状態(K_0状態)で存在していると考えられており、泥岩のK_0状況下の側方応力は軸応力に比べて非常に小さいことを明らにしている。つまり、原位置の初期応力状態は、不連続面が存在する場合の破壊基準線の近く存在しており、地下水面の僅かな上昇によって斜面破壊を誘発するが、不連続面自体の特性には不明な点が多い。 本研究では不連続面が存在した場合の崩壊メカニズムについて、1)不連続面間のwater filmの存在 2)不連続面上の間隙水圧の発生 3)複合不連続面が存在する場合の破壊条件の検証を行った。1)に関しては、不連続面を挿入した供試体と挿入しない供試体を用いて、ひずみ制御で載荷した場合と、地下水面の上昇を想定し間隙水圧を負荷した場合の破壊時の応力状態及び体積ひずみ量は、非常によく一致した。つまり、不連続面の間に存在すると考えていた薄い水の層であるwater filmは、発生していないことが明らかになった。2)のせん断時における不連続面上の間隙水圧を供試体の中央にニードルを挿入して計測したが、間隙水圧の発生は確認できなかった。3)に関しては、供試体に水平軸から45°と60°の角度の複合の不連続面を挿入した供試体を作成し、その破壊基準を調べた。当初、複合の不連続面を与えた場合の破壊基準は、45°と60°の単独の不連続面を挿入したものの中間に位置すると予想していたが、60°供試体の破壊基準線に近いものであった。複合不連続面が存在する場合、両不連続面の破壊条件の相違により、載荷荷重は供試体内部で偏心して作用すると考えられが、検討すべき新たな課題である。
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