2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境負荷の低減を目的とした交通と土地利用の関連性に関する研究
Project/Area Number |
15560455
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
森本 章倫 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (30239686)
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Keywords | 環境負荷推計 / 交通アセスメント / 大規模小売店舗 / 交通流シミュレーション |
Research Abstract |
15年度は広域交通流に対して土地利用との関連性を分析したが、今年度は開発地区から見た土地利用と交通の整合化の研究を行なった。特に開発地区周辺の交通流の変化が環境負荷に与える影響を、交通流シミュレーターを用いて再現した。 栃木県宇都宮市をケーススタディとして大規模小売店舗立地時の交通流変化を予測した結果、大規模店舗が環境負荷に及ぼす影響をまとめると以下のようになる。 1.店舗立地によって発生した流入・流出交通が、店舗周辺に渋滞等を発生させ交通環境を低下させる。交通容量に対して交通量の相対的な増加が、自動車の平均走行速度を減少させるともに、渋滞によるアイドリングや加速・減速の繰り返し回数を増加させ、排出ガス増大を促す。 2.店舗立地によって局地的な混雑区間が発生し、店舗に関係のない通過交通が渋滞区間を迂回するため、結果としてトリップ長が増大し、環境負荷が高まる。 3.公共交通でのアクセスが不便な郊外部へ店舗立地すると、店舗へのアクセス手段が自動車に限定される。栃木県の場合は店舗への自動車分担率が90%を超えるケースが多い。これが引き金となり都心への来訪者が減少することで、公共交通分担率が低下し、輸送効率が下がるため環境負荷を高める。 従来型の交通アセスメントは、開発に伴う影響を予測しそれを緩和する処置をとることに主眼を置いており、上記の課題1についての対応が中心となっている。そのため、間接的な影響である課題2,3が原因の環境負荷増大についてはほとんど対処できない。土地利用の適地誘導が総合的な環境負荷削減に極めて重要であることを確認した。
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Research Products
(2 results)