2004 Fiscal Year Annual Research Report
年齢階級別の人口移動モデルを用いたわが国の人口分布の推定と政策シミュレーション
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15560461
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
近藤 光男 徳島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10145013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 義伸 徳島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90240887)
豊田 哲也 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (30260615)
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Keywords | 人口移動モデル / スケジュールモデル / 年齢階級別データ / 人口移動パターン / 国民生活選好度調査 / 心理的要因 |
Research Abstract |
3年間の研究期間の2年目にあたる本年度は、2種類の新しい人口移動モデルを構築し、人口移動現象の解明にチャレンジした。その1つが人口移動の起終点を考慮したスケジュールモデルによる人口移動パターンの特性分析であり、もう1つが国民の意識変化を考慮した地域間人口移動モデルによる人口移動現象の解明である。 (1)人口移動の起終点を考慮したスケジュールモデルによる人口移動パターンの特性分析 Rogersによるスケジュールモデルを用い、人口移動からみたわが国の各圏域における中心都市を示すとともに、移動の起終点を考慮したスケジュールモデルを推定し、それに基づいて地域間の人口移動パターンの特徴を明らかにした。 まず、スケジュールモデルの指標を基に全国を類型化し、人口移動のスケジュールが、中心都市的傾向を示している都道府県を明らかにした。次に、宮城県、福岡県、広島県、東京都の4都県を対象として1965〜2000年の人口移動の特徴をみたところ、宮城県や福岡県では圏内移動が活発であり、広島県では、移動の対象が全国に分散されていることがわかった。また、東京都に関しては、東京圏を含む関東圏の移動が全国に対する移動の大半を占め、周辺での移動が非常に活発であることが明らかになった。 (2)国民の意識変化を考慮した地域間人口移動モデルによる人口移動現象の解明 人の心理的要因をも含めた人口移動モデルを構築し、わが国における人口移動のメカニズムを解明した。人口移動モデルの構築においては、地域間の効用格差に基づくモデルを基礎とし、それに地域間の結びつきの度合い、さらに、住民の心理的要因を表す住民意識を考慮することにより、より精度の高い人口移動モデルを構築することができた。なお、住民の意識変化を表す指標として、内閣府が全国民を対象として経年的に実施している「国民生活選好度調査」の結果を用いた。この分析を通して、効用や人の心理などの各要因が人口移動に及ぼしている影響の度合いを計量的に明らかにすることができた。
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Research Products
(2 results)