2003 Fiscal Year Annual Research Report
逐次抽出法による再生物や汚染土壌からの重金属溶出特性とリスク評価
Project/Area Number |
15560472
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
貫上 佳則 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90177759)
|
Keywords | BCR逐次抽出法 / 重金属 / 溶出特性 / 再生物 |
Research Abstract |
本研究は、都市ごみ焼却灰やスラグ、あるいはこれらから再生されたセメントなどの再生物、あるいは汚染土壌などからの重金属の溶出特性をより詳細に把握するため、欧州委員会で底泥中の重金属の形態を推定するために提示されたBCR逐次抽出法を基礎とした改良法を提示し、従来の溶出試験結果と比較するとともに、これら一連の試験結果から,試料からの重金属溶出のリスク評価を行うものである。今年度は,BCR逐次抽出法の改良プロトコルの検討を行うとともに,すなわち,BCR逐次抽出法は淡水中の底泥を対象としているため、酸性やアルカリ性の強い再生物や汚染土壌では、溶媒のpHが大きく変わるため、本来意図している成分を測定することができない。そこで、BCR逐次抽出法を実施する前に,蒸留水による抽出と酢酸を用いた中和処理を行う際の抽出条件について検討した.試料には,強アルカリ性を呈する各種セメントを用いた. 種々の検討の結果,蒸留水で抽出した後に1.0mol/Lの酢酸で中和滴定を行うことで,試料を中和することができ,引き続きBCR逐次抽出法をおこなっでも抽出液のpHを適切な範囲に維持することができた.これによって,対象試料中の重金属の形態を,前処理としての2つの画分と,BCR逐次抽出法によって得られる3つの画分,および残渣の合計6つの画分に分画して評価する手法(改良BCR法)を提案することができた. また,Cr^<6+>を含む数種の試薬に対して改良BCR法を実施し,6つの画分の特性付けを行った.さらに,これらのデータを元にして,原料に各種の産業廃棄物が用いられているセメントあるいはセメント系固化材中に対して改良BCR法を実施し,これらに含まれるCrの形態を推定した.その結果,Crは主として中和過程で抽出される画分と,残渣および酸化性画分に含まれていることがわかった.
|
Research Products
(1 results)