2004 Fiscal Year Annual Research Report
滑りの停止が正確に模擬できる断層モデルの開発と短周期地震動の生成過程の解明
Project/Area Number |
15560483
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
栗田 哲 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90195553)
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Keywords | 断層モデル / 摩擦 / 地震動 / 滑りの停止 / 固着 / 有限要素法 |
Research Abstract |
近年の大地震でも、被害を受けた建物の大半が短周期の中低層建物である。建物被害を低減するためには、精度の高い短周期地震動の予測法の確立が急務である。短周期地震動は断層の複雑な滑り破壊の影響を受けやすいので,複雑な滑り破壊を正確に模擬できる断層モデルとその解析法の開発が必要不可欠となっている。本研究は、この点に着目し,従来のモデルでは模擬できなかった滑りの停止を正確に解析できる断層モデルの開発を行った。 プレート境界型地震の断層面からサイトの距離で最長のものは数100kmに及ぶこともある。従って,断層面とサイトを含んだ領域を解析範囲とすると、解析領域は広大となりコンピュータの能力を超えてしまうことになる。そこで、本研究は,最初に、断層面だけを含む領域を解析領域とし、断層破壊のシミュレーションを行い破壊形式と断層の震源時間関数を求める。これを第一段階の解析とする。次に、観測記録を経験的グリーン関数として、シミュレーションで求めた破壊形式と断層の震源時間関数の結果を元に波形合成を行いサイトの地震動を計算する。これを第二段階の解析とする。この2段階解析法を有限要素法を用いて定式化を行い,開発した。 そして,兵庫県南部地震と三陸はるか沖地震のシミュレーションを行うために資料の収集を行い,有限要素モデルの作成を試みた。本手法を用いた予備解析等を行い,その結果から本手法の有効性や問題点について検討を行った。
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