2004 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバセンサによるFRP構造接合部の損傷モニタリング
Project/Area Number |
15560492
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
山田 聖志 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50134028)
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Keywords | 繊維補強ポリマ / 光ファイバセンサ / 接合部 / FBGセンサ / モニタリング / マイクロクラック |
Research Abstract |
本研究では,長寿命型FRP構造の接合部を対象に,最新のブラッグ格子型光ファイバ(FBG)センサにより,従来の計測では不可能であった複雑な応力伝達特性を解明した。具体的な項目は以下である。 1)板要素の引張載荷実験より,FRP材が破壊に至るまでのFBG波長測定から歪変化を定量的に求め,結果が従来の電気式歪ゲージのそれと良く一致することを明らかにした。 2)板要素の引張載荷実験より,内部損傷が進展することによって,FBG波形測定による光パワースペクトル形状が単一ピーク型から複数ピーク型に変化することを明らかにした。 3)重ね継手接合部の引張載荷実験より,ボルトの締付けによって摩擦力が働き,FRP母材全体で応力を負担し破壊に至ることを,FBGセンサを接合界面に装着し精密に計測できることを明らかにした。 4)骨組膜構造クランプ部の引張載荷実験より,FRP母材内部のボルト孔近傍に埋め込んだFBGセンサで,歪変化を連続的に求めた結果,通常の膜屋根施工で採用される初期張力レベルではクランプ材間に生ずる摩擦力で応力伝達が可能であることを明らかにした。偏心引張によってすべりが生じた後には,ボルトの支圧によって応力伝達する形態に変化するが,FRP母材のボルト孔周辺の歪は著しく大きくなることも明らかにできた。これは母材内部にセンサを埋め込むにことに成功したによっている。 5)骨組膜構造クランプ部の引張載荷実験でのFBG波形測定では,FRP母材に発生したトランスバースクラックで光パワースペクトル形状が変化し,ボルト孔近傍では歪の不均一性が顕著になることを明らかにした。その臨界点は,一軸引張試験で光パワースペクトル形状が変化する歪レベルの約30%と低いレベルであり,長寿命型FRP構造物では接合部損傷モニタリングが重要かつ有用であることを示唆することができた。
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