2003 Fiscal Year Annual Research Report
再生骨材コンクリートのひび割れ制御方法に関する研究
Project/Area Number |
15560502
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
菊池 雅史 明治大学, 理工学部, 教授 (90130806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 明男 明治大学, 理工学部, 講師 (90285099)
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Keywords | 再生骨材コンクリート / リサイクル / 構造性能 / 乾燥収縮 / ひび割れ / 鉄筋コンクリート |
Research Abstract |
再生コンクリートの利用促進を図るため,この種のコンクリートを用いる上で重要な課題となっている乾燥収縮によるひび割れ性状に関して,その制御方法を検討することを目的に実験的に研究を行った。 実験は,一軸拘束ひび割れ試験および実大壁部材によるひび割れ試験が主であり,実験の因子としては,再生骨材の種類,再生骨材置換率,鉄筋比とした。再生骨材種類としては,再生コンクリートにおける原コンクリートの水セメント比を変化させることによって,吸水率の異なるものを用意した。また,変動因子とした鉄筋比については,異なる径の鉄筋を用いて埋設鉄筋の本数を変えることで鉄筋量を同一とし,鉄筋の付着特性による影響を検討した。 本実験の結果大要以下のことが分かった。 ・再生コンクリートの収縮率は,普通コンよりも大きくなるが,再生骨材置換率によって収縮率の低減をはかることが可能となる。 ・再生コンクリートは,普通コンクリートよりも早期にひび割れが発生するため調合上の工夫(単位水量の低減あるいは再生骨材置換率の低減)が必要となる。 ・再生骨材置換率が同一であれば,再生骨材の吸水率が大きい低品質な再生骨材を用いた場合で乾燥収縮によるひび割れ抑制効果は小さくなることから,乾燥収縮によるひび割れ性状は,相対吸水率によって評価することが有効である。 ・つまり,吸水率が大きい低品位な再生骨材ほど再生骨材置換率は小さくする必要がある。 ・再生コンクリートのひび割れ発生およびひび割れ幅抑制のためには,同一鉄筋比でも太径の鉄筋より細径の鉄筋を利用することが有効である。これは細径鉄筋を利用することでコンクリートとの付着性状が増すことに起因する。
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[Publications] 川口昌也, 小山明男, 菊池雅史, 林静雄: "再生骨材を用いたコンクリートの構造性能に関する実験的研究"コンクリート工学年次論文報告集. Vol.25,No.1. 1271-1276 (2003)
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[Publications] 松村順也, 小山明男, 菊池雅史, 鳥山隆文: "再生骨材コンクリートの乾燥収縮ひび割れ性状に関する基礎的研究(その1 RC壁部材の乾燥収縮ひび割れ)"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-1. 245-246 (2003)
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[Publications] 鳥山隆文, 小山明男, 菊池雅史, 松村順也: "再生骨材コンクリートの乾燥収縮ひび割れ性状に関する基礎的研究(その2 一軸拘束ひび割れ試験)"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-1. 247-248 (2003)
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[Publications] 長谷川了一, 川口昌也, 林静雄, 菊池雅史, 小山明男: "再生骨材コンクリートの構造性能に関する実験研究(その1.再生コンクリートの強度特性)"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-1. 267-268 (2003)
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[Publications] 川口昌也, 長谷川了一, 林静雄, 菊池雅史, 小山明男: "再生骨材コンクリートの構造性能に関する実験研究その2.再生コンクリートを使用した柱部材実験"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-1. 269-270 (2003)